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「わたし、気になります!」
本当に気になりますよ。
なんせ、高山市は市区町村の中で日本一面積が大きいのですから。
今回は、そんな高山の主要部を巡ったときのお話。
この日は気持ちよく晴れ渡った絶好の散策日和でした。
名古屋から出発し、半日だけ飛騨高山を巡る一人旅です。
今回の目的は、高山の歴史ある町並みを歩くことだけではありません。
映画『君の名は。』やアニメ『氷菓』の聖地巡礼をしながら、飛騨高山の歴史にも触れ、最後には偶然見つけた鳥の巣の展示まで楽しむという、かなり自分らしい旅になりました。
実際に歩いた順番に沿って、日枝神社から高山駅、飛騨国分寺、宮川、煥章館、飛騨高山まちの博物館、古い町並み、高山陣屋まで、この日の高山散策を振り返ります。
日枝神社と高山駅、飛騨国分寺を巡る
最初は、高山の歴史とアニメの両方を感じられる場所を巡りました。
日枝神社は『君の名は。』や『氷菓』のファンに知られるだけでなく、約880年の歴史を持つ古社で、春の高山祭の例祭場でもあります。
その後に訪れた飛騨国分寺も、奈良時代にまで歴史をさかのぼる由緒ある寺院です。
『君の名は。』の聖地・日枝神社へ

最初に向かったのは、飛騨山王宮 日枝神社です。
日枝神社は1141年に日吉山王を勧進したことが始まりとされ、のちに金森長近によって現在の場所へ移され、高山城の鎮護神となったと伝えられています。
また、春の高山祭として知られる山王祭の例祭場であり、地元では「山王様」の愛称でも親しまれています。
さらに、映画『君の名は。』に登場する宮水神社の風景や雰囲気を思わせる場所として、国内外のファンから注目されています。
アニメ『氷菓』では「荒楠神社」のモデルとしても知られており、私にとっては二つの作品を同時に楽しめる場所でした。
まずは拝殿で、この旅が無事に進むように参拝しました。

境内には一般の参拝客だけでなく、外国から訪れたアニメファンや聖地巡礼の人も多く見られます。
鳥居をくぐって石段を少し登り、振り返ってみると、作品の中で見覚えのあるような風情ある景色が広がっていました。

実際にその場所に立つと、映像で見ていた風景と現実の高山がつながったような感覚があり、聖地巡礼ならではの面白さを感じます。
日枝神社には、聖地巡礼以外にも見どころがあります。
拝殿前に立つ大杉は岐阜県の天然記念物に指定された巨木で、見上げるとかなりの迫力です。

長い年月をかけてこの場所を見守ってきたのだと思うと、アニメとはまた違った意味で印象に残りました。
さらに、訪れたのが7月21日だったこともあり、手水舎には色鮮やかな紫陽花が浮かべられた花手水が用意されていました。

そのすぐ隣の池には大量のオタマジャクシも泳いでいました。

鳥や生き物を見るのが好きな私としては、こうした小さな生き物にもつい目が向いてしまいます。
歴史ある神社でありながら、池や木々などの自然も身近に残っていて、境内を歩いているだけでも楽しめました。
高山駅で高山祭の文化を感じる

日枝神社を後にした後は、この日の宿泊先へ荷物を預け、高山駅周辺を散策しました。
高山駅は、高山本線が乗り入れる飛騨高山の玄関口で、大きなロータリーやバスターミナルも備えています。
現在の駅舎は飛騨の木材を生かしたデザインになっており、観光のスタート地点としても高山らしさを感じられる場所です。
駅構内では、高山祭の屋台に使われる巨大な車輪や装飾部材の一部が展示されていました。

高山祭はユネスコ無形文化遺産にも登録されている伝統行事なので、駅にいながら地域の文化に触れられるのは面白いところです。
ちょうど留置線に「ひだ」で使われている車両が停車していたため、列車の様子もじっくり眺めました。

高山に着いた瞬間から、駅そのものが観光の一部になっているように感じました。
奈良時代から続く飛騨国分寺へ

駅から向かったのは飛騨国分寺です。
飛騨国分寺は、天平13年(741年)に聖武天皇の国分寺建立の詔によって創建されたと伝えられる、高山を代表する古刹です。
「飛騨匠の技・こころ―木とともに、今に引き継ぐ1300年―」の構成文化財にもなっており、飛騨の木造建築文化を知るうえでも重要な場所です。
境内に入ると、まず目に入るのが樹齢約1,200年ともいわれる大イチョウです。

国指定天然記念物にもなっている巨木で、境内の中でも特に存在感がありました。
そのほかにも、本堂や三重塔などが並び、飛騨の匠に関わる文化財も大切に受け継がれています。


七重塔の心礎や金堂の土台跡も残っていて、奈良時代の飛騨に大規模な寺院が築かれていたことを実感できます。
建物だけでなく、当時の遺構まで実際に残っていることで、飛騨の匠が持っていた建築技術のスケールを想像しやすくなりました。
道路に面した入口には「願掛けなでさるぼぼ」もあります。

撫でるとご利益があるとのことだったので、私も念入りに撫でて祈願しておきました。
外国人観光客が静かに休憩している姿もあり、コンパクトな境内ながら、歴史の厚みを感じられるお寺でした。
宮川沿いと古い町並みを夕方に歩いてみた
続いては、高山観光を代表する宮川と古い町並みへ向かいました。
宮川周辺には宮川朝市や古い町家が並び、飛騨高山らしい景観を楽しめるエリアです。
ただし今回は夕方の散策だったため、朝市については少し違った楽しみ方になりました。
宮川朝市は終了していたけれど……

宮川沿いで有名なのが宮川朝市です。
地元の野菜や果物、漬物、工芸品、食べ歩きグルメなどが並ぶ、飛騨高山を代表する観光スポットの一つです。
ところが、私が訪れたのは夕方だったため、露店はすべて終了していました。
朝市そのものを見ることはできなかったものの、周辺の常設店は営業していて、飛騨牛の握り寿司など美味しそうなものが並んでいます。

かなり食べたくなりましたが、この後ホテルへ戻れば夕食のカレーが待っていることを思い出しました。
ここは誘惑に負けず、今回は食べ歩きを我慢して先へ進みます。
行神橋から見る宮川が美しい

宮川に架かる行神橋は、2020年に開通した歩行者・自転車専用の橋です。
宮川朝市のある通りと対岸を結び、観光客が街を回遊しやすくする役割も担っています。
橋の欄干には飛騨らしい木の意匠が取り入れられていて、周囲の景観にもよくなじんでいました。
実際に橋を渡り、振り返ってみると、宮川沿いの柳や松の木々が風に揺れています。

夕方の宮川は、賑やかな観光地というより、飛騨高山らしい情緒を感じる静かな風景として印象に残りました。
日下部民藝館と吉島家住宅は外観だけ

そのまま伝統的建造物群保存地区へ進み、日下部民藝館と吉島家住宅の前まで歩きました。
どちらも飛騨高山を代表する重要文化財の町家で、飛騨の匠による木造建築の美しさを感じられる場所です。
しかし、到着したときにはすでに閉館時間を過ぎていました。
そのため今回は中へ入ることができず、外から建物を眺めるだけになりました。
それでも、重厚な木造建築が連なる景観は十分に見応えがあります。
「次はもっと早い時間に来て、建物の内部まで見てみたい」と思いながら、先へ進みました。

東山遊歩道から『氷菓』の聖地と鳥の巣展へ
ここからは、今回の旅でも特に楽しみにしていたアニメの聖地巡礼と、予想外の嬉しい出会いが続きます。
東山遊歩道を歩いて高山市図書館 煥章館へ向かい、その後は飛騨高山まちの博物館を見学しました。
東山遊歩道を歩いて煥章館へ

東山遊歩道は、高山の寺院や自然を感じながら歩ける緑豊かな散策ルートです。
市街地の賑わいから少し離れ、小川のせせらぎを聞きながら歩けるので、街歩きの途中で雰囲気を変えたいときにもぴったりだと感じました。
その先にあるのが、高山市図書館 煥章館です。

煥章館は2004年に開館した高山市図書館の本館で、明治9年に建てられた煥章学校の洋風校舎をイメージした建物です。
和風の町家が多い高山の中心部で、明治洋館を思わせる外観がひときわ目立っています。
『氷菓』の聖地巡礼で煥章館へ

ここを訪れた最大の目的は、京都アニメーション制作の『氷菓』の聖地巡礼です。
煥章館は、作品に登場する「神山市図書館」のモデルとして知られています。
『氷菓』では、折木奉太郎と千反田えるが過去の新聞記事を調べるために訪れる場所として登場します。
私自身、『氷菓』が大好きなので、高山へ来たからにはここを外すわけにはいきません。
館内は撮影できない場所も多かったため、静かに見て回りました。
入口には「氷菓 飛騨高山舞台探訪マップ」も置かれていました。

単にモデルになった建物が残っているだけではなく、街全体で作品の舞台を大切にしていることが伝わってきて、ファンとしてかなり嬉しくなりました。
飛騨高山まちの博物館で高山の歴史を学ぶ

次に訪れたのは、入館無料の飛騨高山まちの博物館です。
ここは高山城下町の成り立ちや伝統文化、美術工芸、町人の暮らしなどを学べる歴史博物館です。
江戸時代から続く豪商の跡地にある14棟の土蔵を展示室として活用しており、建物そのものにも歴史があります。

館内では、高山城や金森氏に関する資料、高山祭の屋台を彩る彫刻、飛騨春慶、一位一刀彫、円空仏、町人の生活用具など、幅広い資料を見ることができます。
実際に館内をじっくり見ていると、それまで歩いてきた古い町並みや寺院が、単なる観光地ではなく、長い歴史の中で形成された街なのだということが少しずつつながっていきました。
今回訪れたスポットの中でも、かなり面白く、印象に残った場所です。

まさかの出会い!鈴木守さんの鳥の巣展
そして、この後に今回の旅で最も嬉しい出来事が待っていました。
博物館をじっくり見学して正面入口へ戻ったとき、1枚のポスターが目に入ったのです。
そこに書かれていたのは、「鈴木守の世界の鳥の巣と絵本原画展」という文字でした。
鳥の巣研究家・絵本作家として知られる鈴木守さんには、私は約2年前にお会いしたことがあります。
まさか旅先の高山で、その鈴木さんの展示が開催されているとは思ってもいませんでした。
「これは絶対に見ていかなければ!」と思い、予定を少し変更して展示会場の遊朴館へ向かいました。

遊朴館は古い町並みにあるギャラリー・ショップなどを備えた施設で、今回はその2階の展示室を見学しました。
中へ入ると、海外の珍しい鳥の巣や精巧な絵本原画がずらりと並んでいます。

以前に見たことのある巣もありましたが、旅先で一人静かにじっくり観察できたことが、とても贅沢に感じられました。
高山へ来た時点では、このような展示を見ることになるとはまったく予想していません。
聖地巡礼と歴史散策をしていたら、最後に自分の好きな「鳥の巣」に出会うという、これ以上ないくらい自分らしい偶然でした。

古い町並みと中橋、高山陣屋で旅を締めくくる
旅の最後は、高山観光の中心ともいえる古い町並みを歩き、高山陣屋へ向かいました。
古い町並みは、江戸時代の城下町・商人町の雰囲気を今に残す歴史的な町並みで、黒い木造町家や格子、造り酒屋の杉玉などが連なります。
高山陣屋は、江戸時代に幕府直轄地となった飛騨を治めた代官所で、当時の主要な建物が現存する全国唯一の例として知られる国指定史跡です。
夕方でも賑わう古い町並み

夕方になっても古い町並みは多くの人で賑わっていました。
外国人観光客の姿も多く、飛騨高山が海外からも人気の観光地であることを実感します。

造り酒屋の杉玉や風情ある暖簾が並ぶ通りを歩いていると、それだけで気分が上がります。
今回は夕方の散策だったため、朝の宮川朝市とはまた違う雰囲気の高山を楽しめました。
朱塗りの中橋は撮影スポットとして大人気

高山陣屋の前を流れる宮川には、朱塗りの中橋が架かっています。
中橋は飛騨高山を代表するランドマークの一つで、観光ポスターやパンフレットでもおなじみの景観です。
赤い欄干と宮川、周囲の歴史的な町並みが組み合わさることで、高山らしい風景が生まれています。
実際に訪れたときも、外国人観光客を中心に多くの人が写真撮影をしていました。
皆さん思い思いに記念写真を撮っていて、人気の高さがよく分かります。
高山祭では祭屋台の行列が渡る場所としても知られているので、街の景観だけでなく、伝統行事ともつながっている橋なのだと思うと興味深いです。
高山陣屋はまさかの見学時間切れ

最後に、この旅で非常に楽しみにしていた高山陣屋へ向かいました。
高山陣屋は、江戸時代に幕府の直轄領となった飛騨を治めるために置かれた代官所・飛騨郡代役所です。
幕末に全国に数多く存在した代官・郡代所の中で、主要な建物が当時の場所に現存しているのは高山陣屋だけとされ、非常に貴重な歴史遺産となっています。
現代でいえば、行政、司法など複数の役割が集まった飛騨の政治・行政の中心だった場所です。

当然、内部を見学するつもりで向かったのですが、ここでまさかの失敗です。
見学時間を勘違いしていて、到着したときには門が閉まっていました。
これは完全に私のリサーチ不足です。
せっかく楽しみにしていたのに、中へ入ることができませんでした。
かなり残念でしたが、次に高山を訪れる理由が一つ残ったと考えることにします。
今回は外から眺めるだけになりましたが、次回こそ時間をきちんと確認して、内部までじっくり見学したいと思います。
高山駅へ戻って一人旅を終了
高山陣屋を後にして、再び高山駅方面へ戻りました。
こうして、日枝神社から始まり、高山駅、飛騨国分寺、宮川、古い町並み、東山遊歩道、煥章館、飛騨高山まちの博物館、鳥の巣展、高山陣屋まで、一日かけて高山の街を歩きました。
計画していた聖地巡礼だけでなく、歴史や自然に触れ、さらに偶然の出会いまであったことで、かなり濃い一日になりました。
まとめ
今回の高山一人旅では、アニメの聖地巡礼、歴史散策、街歩き、そして大好きな鳥の巣まで楽しむことができました。
- 日枝神社で『君の名は。』や『氷菓』の聖地巡礼
- 大杉、花手水、オタマジャクシなど境内の自然も観察
- 高山駅で高山祭に関する展示を見学
- 飛騨国分寺で大イチョウや三重塔、古代の遺構を見学
- 宮川沿いと古い町並みを夕方に散策
- 東山遊歩道を歩いて『氷菓』の聖地・煥章館を訪問
- 飛騨高山まちの博物館で高山の歴史や文化を学習
- 偶然見つけた鈴木守さんの鳥の巣と絵本原画展を見学
- 古い町並みと中橋を散策
- 高山陣屋は見学時間を間違えてしまい、内部見学は次回へ持ち越し
今回の旅で特に印象に残ったのは、やはり偶然見つけた鳥の巣展です。
アニメの聖地を巡りながら高山の歴史を楽しんでいたところ、最後に自分が好きな鳥の巣の展示に出会うという展開は、まったく予想していませんでした。
計画通りに観光するだけではなく、現地で偶然見つけたものに惹かれて予定が変わることも、一人旅ならではの面白さだと思います。
一方で、高山陣屋を見学できなかったことは今回の大きな反省点です。
次回は事前に見学時間をしっかり確認して、今回見られなかった内部まで見学したいと思います。
それでも、聖地巡礼、歴史、自然、そして鳥の巣まで、自分の「好き」がぎゅっと詰まった、とても満足度の高い高山一人旅になりました。
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