上高地は、その手付かずの自然が魅力の場所。
しかし、自然保護のためマイカー規制が敷かれていることをご存知ですか?
この記事では、上高地へマイカーで訪れる際の駐車場情報、乗り換え方法、料金、そして混雑対策まで、詳しく解説します。
なぜマイカー規制があるの?

上高地では、美しい自然と貴重な生態系を守るため、年間を通じてマイカーの乗り入れが全面的に禁止されています。
これは、レンタカーや身体障害者車両も例外ではありません。
通行できるのは、シャトルバス、路線バス、タクシー、緊急車両、許可車両のみです。
開山期間は毎年4月17日から11月15日まで。
この期間外はアクセスが制限されるので注意しましょう。
マイカー利用者が知るべき二大ルート

マイカーで上高地を目指す場合、大きく分けて2つの主要ルートがあります。
- 長野県側からの「沢渡(さわんど)ルート」
- 岐阜県側からの「平湯・あかんだなルート」
どちらのルートを選んでも、最終的には指定の駐車場に車を停め、そこからシャトルバスかタクシーに乗り換えることになります。
沢渡(さわんど)エリア(長野県側)の詳細

松本方面からアクセスする際の主要な乗り換え拠点です。
駐車場の種類と特徴
沢渡エリアには、市営駐車場が4ヶ所、民間駐車場が8ヶ所あり、合計約2,000台を収容できます。
- 市営駐車場:
- 市営第一駐車場(いっぷく平):
- 普通車104台、大型バス32台、マイクロバス9台。
- 市営第二駐車場(足湯公園):
- 普通車550台。
- 足湯やライダーハウスが隣接しており、車中泊検討者にも人気です。
- 市営第三駐車場(かすみ沢):
- 普通車410台。
- 沢渡ナショナルパークゲートと地下道で直結。
- 電気自動車用充電設備もあります。
- 市営第四駐車場(岩見平):
- 普通車140台。
- 市営駐車場はすべて24時間営業で自動ゲートが設置されています。
- 市営第一駐車場(いっぷく平):
- 民間駐車場:
- 8カ所あり、合計612台収容。
- シャトルバスの運行時間に合わせて営業時間が変動します。
沢渡駐車場の料金
車両区分 | 1日料金 | 深夜加算ルール(普通車例) |
---|---|---|
普通車 | 800円 | 深夜0時を超えると800円加算(合計1,600円)。 以降同様に加算。 |
バイク | 400円 | – |
マイクロバス | 1,600円 | – |
観光バス | 3,200円 | – |
上高地へのシャトルバス乗り換え
沢渡ナショナルパークゲートがシャトルバスの始発点です。
- 運行頻度:
- 通常15~20分間隔で高頻度運行。
- 運行時間:
- 7月・8月は午前5時~午後8時、その他の期間は午前5時~午後7時。
- 所要時間:
- 上高地バスターミナルまで約25~26分。
- 運賃:
- 大人片道1,500円、往復2,800円。往復券がお得です。
上高地へのタクシー乗り換え
沢渡の各駐車場にはタクシーが待機しており、上高地への料金は定額制です。
出発地 | 目的地 | 普通車片道運賃 | 特定大型車片道運賃 | 障害者割引適用料金(普通車) |
---|---|---|---|---|
沢渡 | 大正池 | 4,000円 | 6,500円 | 3,780円 |
帝国ホテル | 5,100円 | 8,100円 | 4,590円 | |
上高地バスターミナル | 5,000円 | 8,000円 | 4,860円 |
沢渡エリアでの車中泊
市営第2駐車場(足湯公園駐車場)はトイレや足湯が隣接しているため、車中泊に利用されることがあります。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 8ナンバー登録のキャンピングカーは駐車不可。
- 車外でのキャンプ行為や車内での炊事などの火気使用は固く禁止。
あかんだなエリア(岐阜県側)の詳細

高山方面からアクセスする際に便利な乗り換え拠点です。
駐車場の概要と特徴
あかんだな駐車場は、約850台を収容できる大規模駐車場です。
24時間自動ゲートで入出庫が可能。
- 駐車場区画:
- 第1駐車場(多目的広場)、第2駐車場、第3駐車場。
- ガイアパークセンター(管理棟):
- トイレ、券売機、無料休憩室完備。
- 支払い方法:
- 電子決済(クレジットカード、電子マネー)が利用可能ですが、QRコード決済は不可。
- 現金払いは千円札のみ対応なので、事前に準備しておきましょう。
あかんだな駐車場の料金
車両区分 | 1日料金 | 深夜加算ルール(普通車例) |
---|---|---|
普通車 | 600円 | 入庫した日の24時までが1日料金。以降繰り返し適用。 |
バイク | 300円 | – |
マイクロバス | 1,200円 | – |
大型車 | 2,400円 | – |
上高地へのシャトルバス乗り換え
あかんだな駐車場がシャトルバスの始発点です。
- 運行頻度:
- 午前5時台から運行開始、日中は30分間隔またはそれ以上の高頻度。
- 所要時間:
- 上高地バスターミナルまで約25分。
- 運賃:
- 大人片道1,500円、往復2,800円。
ポイント
平湯温泉に近く、平湯温泉バスターミナルからも上高地行きのバスが出ています。
沢渡が混雑している場合の迂回ルートとしても有効です。
上高地へのタクシー乗り換え
あかんだな駐車場にもタクシーが待機しています。
出発地 | 目的地 | 普通車片道運賃 | 障害者割引適用料金(普通車) |
---|---|---|---|
あかんだな | 大正池 | 4,600円 | 4,140円 |
帝国ホテル | 5,500円 | 4,950円 | |
上高地バスターミナル | 6,000円 | 5,400円 |
沢渡からのタクシーにはこの費用はかかりません。
あかんだなエリアでの車中泊
あかんだな駐車場では「防犯上の理由から車中泊は推奨されません(出来ません)」とされています。
24時間入出庫は可能ですが、公式見解としては禁止と理解しましょう。
シャトルバス vs タクシー:どちらを選ぶ?

移動手段 | メリット | デメリット | 推奨シーン |
---|---|---|---|
シャトルバス | 経済的、運行本数が多い、環境に優しい。 | 繁忙期は混雑し、長蛇の列や整理券配布の可能性あり。 | 予算を抑えたい、時間に比較的余裕がある、環境意識が高い。 |
タクシー | 待ち時間が短い、特定の目的地へ直接行ける、荷物が多い場合に便利、快適。 | 費用が高い。 | 時間を有効に使いたい、混雑を避けたい、グループや家族旅行で費用を分担できる、早朝や夜間の移動。 |
駐車場利用の注意点と混雑対策

駐車場利用の注意点と混雑対策について、紹介します。
繁忙期の混雑状況
ゴールデンウィーク、お盆、紅葉シーズン(10月頃)の土日などは、沢渡・あかんだな両駐車場ともに大変混み合います。
朝8時~9時台には満車になることもあり、駐車場に入るための渋滞や、シャトルバスに乗るための長蛇の列ができる可能性があります。
混雑を避けるには「早朝到着」が鍵!
最も効果的な対策は、朝早く(特に午前5時台の始発バスに合わせて)駐車場に到着することです。
これにより、駐車場確保とシャトルバスの乗車が比較的スムーズに行えます。
満車時の迂回ルート
万が一、沢渡駐車場が満車の場合、岐阜県側の「あかんだな駐車場」を利用する迂回ルートも有効です。
平湯温泉からは、沢渡からのバスと同じく大正池に最初に到着するシャトルバスが運行しています。
その他の重要事項

- ペット同伴:
- 上高地線や乗鞍線のバスでは、盲導犬・介助犬を除き、ケージの有無にかかわらずペットの乗車はできません。
- 外来生物持ち込み禁止:
- 上高地の貴重な生態系を保護するため、外来生物の持ち込みは厳しく禁止されています。
まとめと最終チェックリスト
上高地訪問を成功させるために、以下の点を最終確認しましょう。
- 訪問時期:
- 開山期間、繁忙期、バス規制日を確認。
- 出発地に応じた駐車場選択:
- 沢渡かあかんだなか。
- 支払い方法(千円札の準備)も確認。
- 料金確認:
- 駐車料金、シャトルバス・タクシー運賃を把握。
- 日をまたぐ場合の加算ルールに注意。
- 混雑対策:
- 早朝到着を基本に、迂回ルートも検討。
- 車中泊:
- 各駐車場の公式ルールを厳守。
- 火気使用は厳禁。
- その他ルール:
- ペット、外来生物の持ち込み禁止。
- 上高地内での計画:
- ハイキングルートや滞在時間を計画。
これらの情報を参考に、上高地の雄大な自然を存分にお楽しみください!
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