【旅行記】晴れた稚内、丘の上で歴史と向き合う一日

サムネ TOUR

北海道での仕事を終え、フライトまでの空き時間を使って稚内を歩くことにしました。

稚内は何度も訪れている街ですが、不思議とまだ足を運んでいなかった場所があります。

向かった先は稚内公園。

市街地を見下ろす丘陵地に広がる、稚内を代表する総合公園です。

晴天に恵まれ、視界は良好。

これまで何度も見てきた稚内の街並みも、今日は少し違って見えました。

稚内公園という場所

稚内公園

稚内公園は、稚内市街地の背後に広がる広大な丘陵地に位置しています。

敷地面積は約45.2ヘクタール。森林公園を含めると、約100ヘクタールにも及ぶ広さです。

2018年には「日本夜景遺産」に登録され、夜景の名所としても知られる場所。

園内には「氷雪の門」「開基百年記念塔」など、稚内の歴史を語るモニュメントが点在しています。

晴れた日には宗谷湾を一望でき、条件が良ければサハリンの島影も望めるとのこと。

この日は、まさにその条件がそろっていました。

教學之碑

稚内公園

車を降り、最初に目に入ったのが教學之碑。

氷雪の門の近くに静かに佇む、石造りの記念碑です。

この碑は、かつて南樺太に存在した「樺太師範学校」を顕彰するもの。

1989年、同窓生たちの手によって建立されました。

戦前の樺太で教育に携わり、終戦後は北海道各地の教育現場を支えた人々。

その足跡が、この場所に刻まれています。

ここから宗谷岬の方角を眺めると、その距離感にあらためて驚かされました。

3月と6月に訪れた宗谷岬の記憶が、自然とよみがえります。

氷雪の門 樺太島民慰霊碑

稚内公園

少し北へ歩き、氷雪の門へ。

正式名称は「樺太島民慰霊碑」です。

1963年に建立されたこのモニュメントは、旧日本領・樺太で亡くなった人々を慰霊するためのもの。

彫刻家・本郷新氏による作品で、女人像と門、霊石によって構成されています。

女人像は、氷雪の中を生き抜いた人々の象徴。

門の向こうには、晴れた日にだけ見えるサハリンの島影。

稚内公園

石碑に刻まれた言葉。

「皆さん これが最後です さようなら さようなら」

文字を追ううち、自然と足が止まりました。

史実を知っているからこそ、胸に迫るものがあります。

この日は天気が良く、サハリンがはっきりと見えていました。

稚内公園 サハリン

近くて、遠い場所。

その距離を、静かに考える時間となりました。

稚内展望休憩所とソフトクリーム

稚内公園

続いて稚内展望休憩所へ。

稚内港や北防波堤ドームを一望できる、開放感のある展望スポットです。

売店で稚内牛乳のソフトクリームを購入し、外で一息。

稚内公園 稚内牛乳ソフトクリーム
稚内牛乳ソフトクリーム

8月とはいえ稚内、と思いきや、今日はなかなかの陽射し。

案の定、ソフトクリームはすぐに溶け始めました。

ただ、それも悪くありません。

濃厚で、まろやか。

生クリームのような口当たりと、牛乳そのものの風味。

「すぐ溶けるソフトクリームは、余計なものが入っていない証拠」

そんな話を思い出しながら、急いで食べ切りました。

南極観測樺太犬訓練記念碑

稚内公園

最後に訪れたのは、南極観測樺太犬訓練記念碑。

1960年に建立された、静かな記念碑です。

ここ稚内公園は、日本初期の南極観測に向けた樺太犬の訓練地でもありました。

強風が吹き荒ぶこの高台は、極地環境に近い条件だったといわれています。

碑のモデルとなったのは、タロ・ジロの異父兄弟「パラ号」。

台座に埋め込まれた白い石は、南極から持ち帰られたものです。

調べるほどに、胸が詰まります。

人と共に生き、人のために働き、そして命を落とした犬たち。

歴史として知ってはいても、現地に立つと感じ方が変わりますね。

合掌。

稚内空港へ

稚内空港

稚内公園を後にし、稚内空港へ向かいました。

日本最北端の空港、「日本のてっぺん」の玄関口です。

コンパクトながら、必要なものはきちんと揃ったターミナル。

展望デッキから眺める滑走路が、どこか稚内らしく感じられました。

稚内空港

羽田行きの便で帰路へ。

ラウンジで少し仕事をしてから、自宅へ戻ります。

おわりに

短い滞在でしたが、稚内の歴史と静かに向き合えた一日。

何度も訪れている街でも、まだ知らない場所はあります。

次に来るときは、また違った稚内に出会えるでしょう。

そんな余白を残しつつ、今回の旅を終えることにします。

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