【旅行記】最先端と過去のごみを学ぶ!!徳島と香川で学びの旅

TRAVEL

2024年9月7日〜8日にかけて、徳島県と香川県でごみについて学んできました。

徳島県ではゼロ・ウェイストセンター,香川県では豊島へ。

前者は日本最高レベルのリサイクルの秘策を学び、豊島では国内最大級の産廃不法投棄事件について学ぶことができました。

他にも吉野川河口に行ったり、現地のものを食べたりしたので、その時の記憶を綴っていきます。

観光する方の参考になれば幸いです。

※今回の旅は所属団体の研修旅行で行ったものになります。

7日 吉野川河口とゼロ・ウェイストセンター

名古屋からレンタカーで四国へ。

まずは吉野川河口を目指します。

その前に、道中に寄った2つの道の駅を紹介です。

道の駅うずしおinうずまちテラス

道の駅うずしおinうずまちテラスから見る景色
展望スペースから見る大鳴門橋

道の駅うずしおinうずまちテラスは、淡路島の南部に位置し、鳴門海峡や四国の山々を眺めることができます。

本来は「道の駅うずしお」という別の施設ですが、現在はリニューアル中なので、うずまちテラス内で仮営業中です。

また、全国ご当地バーガーグランプリにて、1位と2位を受賞したハンバーガーを食べることができます。

その名も、「あわじ島オニオンビーフバーガー」です。

淡路島産玉ねぎカツや淡路鶏など、淡路島を代表する名物がハンバーガーの中に溢れています。

昼食場所はすでに決まっていたため、今回は食べませんでしたが、観光される方はぜひ食べてみてください!!

道の駅うずしおinうずまちテラスの基本情報

道の駅うずしおinうずまちテラスの基本情報について紹介します。

料金無料
住所兵庫県南あわじ市福良丙947−8
電話0799521157
営業時間9時〜17時
定休日木曜日
1月1日
12月はメンテナンスのため臨時休業の可能性あり
公式サイトこちら

道の駅 くるくるなると

道の駅 くるくるなるとのさつまいものオブジェ

ランチを食べに訪れたのは、道の駅 くるくるなると!!

さつまいものオブジェが存在感を放っている道の駅です。

徳島県といえば、鳴門金時ですよね。

オブジェの題材として採用されるのも、頷けるというものです。

さて、そんな道の駅で徳島名物を頂きます。

注文したのは、徳島ラーメン!!

徳島ラーメン

徳島ラーメンは豚骨ベースのラーメンで、基本的にこってりしているのが特徴です。

とはいえ、スープの種類は店ごとに異なり、茶系,白系,黄系に分けられています。

くるくるなるとで食べた徳島ラーメンは、豚骨醤油の茶系でした。

なんとも罪深い味…!!

ちなみに、徳島ラーメンの起源は古く、戦後の屋台で提供していた白濁系スープのラーメンだと言われています。

そんなに古くから食されているとは、徳島県民のソウルフードといっても過言ではありませんね。

道の駅 くるくるなるとの基本情報

道の駅うずしおinうずまちテラスの基本情報について紹介します。

料金無料
住所徳島県鳴門市大津町備前島 字蟹田の越338−1
電話0886859696
営業時間9時〜17時
定休日年中無休
公式サイトこちら

吉野川河口干潟

吉野川河口干潟

腹ごしらえをした後は、今回のメインの一つ 吉野川河口干潟へ。

吉野川は高知県と徳島県に流れる一級水系であり、四国最大の流域面積を誇っています。

今回は「とくしま自然観察の会」の方々に対応していただき、吉野川について詳細に教えていただきました。

吉野川河口の現状

ダイゼンとミユビシギ
堤防で休息するダイゼンとミユビシギ

吉野川河口には、吉野川サンライズ大橋と阿波しらさぎ大橋の2つの大きな橋が架けられいます。

前者は2022年、後者は2012年に完成しました。

阿波しらさぎ大橋の架橋建設期間中に、前期と後期で橋を通過するシギ・チドリ類の個体数が有意に減少

底生生物相に顕著な変化が無かったため、シギ・チドリ類の移動が阻害されたことが示唆されました。

今でも底生生物や鳥類の調査が行われています。

また、吉野川河口はラムサール条約登録湿地の国際基準を満たしていますが、まだ登録できていない状態です。

登録できない理由として、地元住民などから登録への賛意が得られていないことが挙げられます。

いつか登録できる日が来ることを願っていますね…!!

吉野川第十堰

吉野川第十堰
吉野川第十堰

吉野川河口を案内してもらった後、吉野川第十堰を訪れました。

吉野川第十堰は、河口より約14km上流に位置する堰です。

約250年前に吉野川を堰き止め、旧吉野川に水を流す目的で造られました。

現在も姿が変わらず、堰としても有効に機能しています。

昔の建造物が今でも役に立っているって、すごいですよね。

そんな第十堰を、可動堰化する計画が立てられました。

治水が目的で立てられた計画ですが、これを2000年に行われた住民投票によって実質中止に。

環境問題と1000億円の工費(財政難の中)が決め手となったみたいです。

今後も吉野川第十堰には、機能してもらいたいところですね。

野鳥

オオソリハシシギ
オオソリハシシギ
ミサゴ
ミサゴ

吉野川河口では、多くのシギ・チドリ類が見られました。

オオソリハシシギとチュウシャクシギが干潟で採餌。

ダイゼンやミユビシギなどは、離岸堤で休息していました。

吉野川第十堰では、ダイサギ,アオサギ,ミサゴが採餌場として利用。

ミサゴのダイビングが頻繁に見られました。

シオマネキ

シオマネキ
シオマネキ

シオマネキは環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類に分類されており、個体数が減少しているカニです。

そんなシオマネキの日本有数の生息地として、吉野川は知られています。

訪れたときはちょうど子ガニが見られる時期で、鮮やかな青に体を染めるシオマネキを観察することができました。

シオマネキの子ガニ
シオマネキの子ガニ

寄り道:田中家住宅

田中家住宅

徳島県が誇る、歴史的建造物「田中家住宅」へ寄り道しました。

田中家は代々続いた藍商の家であり、国指定重要文化財です。

簡単に言うと、藍染の元となる藍染料「すくも」を作っていた場所になります。
(徳島で作られた「すくも」は阿波藍と呼ばれています。)

藍染の青色は「JAPAN BLUE」として世界的に知られており、日本を代表する色の一つと言えるでしょう。

田中家では、すくもを作りやすい環境や洪水対策が整っており、藍寝床,茅葺かやぶき屋根,地元産の青石による高い石垣などで構成されています。

これらが今でも綺麗に残されているため、国指定重要文化財に指定されました。

ゼロ・ウェイストセンター

ゼロ・ウェイストセンター
ゼロ・ウェイストセンター

吉野川を後にし、ゼロ・ウェイストセンターへ向かいました。

ゼロ・ウェイストセンターは、上勝町に位置しており、町が推進しているゼロ・ウェイストの拠点となる場所です。

住民はリサイクルする場として、来館者は学びの場として機能しています。

ゼロ・ウェイスト宣言

窓や壁は使われなくなったものを利用

ゼロ・ウェイスト宣言とは、ごみを無くしリサイクル率100%を目指すことを指します。

上勝町では2003年にゼロ・ウェイスト宣言をし、自治体として日本で初となりました。

取り組み

ゼロ・ウェイストセンターの分別箱
ごみの分別箱

上勝町民は自らゼロ・ウェイストセンターにごみを持ち込み、分別を行っています。

分別は13種類45分別

ごみの分別において、見たことのない数字ですよね。

土日でもごみを受け入れており、持ち込みが困難な方は2ヶ月に1回の頻度で回収を行っているとのことです。

施設内の案内も行っており、町民以外も上勝町の取り組みについて深く知ることができます。

リサイクル率

ゼロ・ウェイストセンターにある瓶のシャンデリア
瓶のシャンデリア

上勝町は徹底したリサイクルにより、リサイクル率が80%に達しました。

この凄さが分かりにくいかもしれませんね。

日本のリサイクル率は約20%です。

驚異の数字であることが分かります。

ゼロ・ウェイストセンターの基本情報

ゼロ・ウェイストセンターの基本情報を紹介します。

料金入館は無料
施設案内ツアー”STUDY WHY”は有料
1500円
住所徳島県勝浦郡上勝町福原下日浦7番地2
電話070-2616-9012
営業時間9時〜17時
ゴミステーションは平日と休日で時間が異なります。
町民はHPをご確認ください。
定休日なし
公式サイトこちら

酒と飯のひら井 徳島店

酒と飯のひら井 徳島店

ゼロ・ウェイストセンターを後にし、車をホテル周辺の駐車場に停めて徳島駅周辺でディナーです。

選ばれたのは、酒と飯のひら井 徳島店!!

駅周辺の居酒屋で、現地のものを食べられるので、ここになりました。

鳴門金時ブリなど、徳島らしいものを注文。

料理の写真を1枚も撮影していないやらかしを除けば、最高の夕飯でした。

酒と飯のひら井 徳島店の基本情報

酒と飯のひら井 徳島店の基本情報を紹介します。

料金400‐1500円くらい
住所徳島県徳島市寺島本町東3丁目7−2
電話0886575050
営業時間17時〜0時
定休日なし
公式サイトなし(食べログのリンク)

ホテル周辺を散策

新町川
新町川

食後、ホテルまでウロウロしました。

道中、新町川にかかる橋にて生きもの観察を開始!!

木造物にフナムシがいたり、不明の魚がいたりとわりと楽しめました。

新町川のフナムシ
フナムシ:苦手意識をもたないであげて

ホテルに戻って仕事をし、そこそこ進めてから就寝です。

8日 豊島

起床し、日が登る前にホテル周辺を散策です。

徳島城跡

徳島城跡
天守跡

本当は眉山に登ろうとしていましたが、暗すぎたので断念。

その代わりとして、徳島城跡にやってきました。

徳島城跡は徳島中央公園内にあり、日本100名城の一つに数えられています。

本丸のあった場所は広場となっており、地元の方の憩いの場として機能していました。

朝飯前にプチ観光できて、心が晴れ晴れしましたね。

眉山

眉山山頂からの景色
眉山山頂からの景色

ホテルに戻って朝食を頂き、豊島へ行く前に眉山に足を運びました。

眉山は万葉集でも詠まれており、古くから愛されている徳島市のシンボルとなっている山です。

登山道もありますが、山頂付近まで車で行くこともできます。

というわけで、今回は車で上まで行きました。

山頂から見る景色は素晴らしく、吉野川河口を超えて水平線まで見ることができます。

次に来たときは、登山道から登りたいですね。

こがね製麺所 志度店

こがね製麺所 志度店のうどん
こがね製麺所 志度店のかけうどん

豊島フェリーに乗船するため、高松港へ向かいます。

その道中、せっかくの香川なので讃岐うどんを食べることに。

訪れたお店は、こがね製麺所 志度店です。

かけうどんと、かしわ天を注文。

私は個人的にうどんの王者は伊勢うどんだと思っていますが、やはり讃岐うどんもうまい…。

麺のコシがクセになりますね。

こがね製麺所 志度店の基本情報

こがね製麺所 志度店の基本情報を紹介します。

料金290‐1000円くらい
住所香川県さぬき市志度1221-5
電話087-894-7574
営業時間9時〜15時
定休日火曜日
公式サイトこちら

豊島フェリー

豊島フェリー

食後、時間がギリギリになりつつも高松港に到着。

豊島フェリーに乗り込みます。

豊島へは直島経由で行くことになり、約50分の船旅です。

航路では、ウミネコ,カワウ,トビ,ミサゴ,シロチドリなどが見られました。

高速船なので揺れが激しく、まともな写真はあまり撮れず…。

乗船される方は、観察メインにしておきましょう。

豊島

船を降り、豊島に足を踏み入れます。

豊島は小豆島の西に位置しており、直島諸島に属する島です。

現在は、アートの島として知られています。

今回はアートに関することには全く触れず、豊島事件について詳しくお話を伺うことに時間を使いました。

豊島事件とは

豊島のこころ資料館(有害産廃処分場跡)
豊島のこころ資料館(有害産廃処分場跡)

豊島事件とは、国内最大級の産廃不法投棄事件です。

住民が一丸となった闘いであり、2000年の公害調停の最終合意まで25年間も要しました。

簡略的な経緯は以下の通りです。

豊島事件の簡単な経緯
  • 1975年〜
    事件発生

    許可されてないゴミを豊島西側の海岸に搬入し、野焼きなどを繰り返す。
    ※シュレッダーダスト,廃油,汚泥など

    島内でぜんそくなど健康被害発生

    これに香川県は黙認

  • 1990年〜
    摘発

    兵庫県警により摘発され、不法投棄と野焼きはとまった。

    現場には大量の廃棄物が残っている。

  • 2000年〜
    調停成立

    島民の運動により調停成立

    原状回復の作業が開始。

    廃棄物は全て撤去・リサイクルされた。

    しかし、土壌や地下水まだ汚染されている。

  • 2024年3月
    国の支援終了

    産廃特措法による国の支援がなくなった。

    関連施設や遮水壁が撤去された。

  • 現在
    自然浄化中

    現在は自然浄化に頼っている。

    水中の汚染具合は日によって波があるとのこと。

かなり端折ったうえに、これだけだと怒られるんじゃないか?と思うぐらい簡易的な説明です。

こんな文章だけでは済まされないほど、膨大な闘いの歴史をぜひ現地で見聞きしていただきたいと思います。

見学を希望される方は、こちらへ!

豊島事件が起こった場所

豊島で、ごみが積み重なっていた場所
ごみが積み重なっていた場所

豊島事件が起きたのは、島内西部の海岸です。

岩肌が露出している箇所の半分より少し上あたりまで、産業廃棄物が積み重なっていました。

この場所にはダイオキシン類や重金属などの有害物質があり、土壌や地下水にも影響が出ていたそうです。

資料館にて、ごみの一部が展示されています。

シュレッダーダスト

港周辺を散策

冷凍みかん

話を聞き終わり、放心状態のまま港へ

フェリーの時間までカフェに入ったり、お土産を買ったりと港周辺を散策しました。

豊島の名産といえば、米,みかん,オリーブなどです。

港にあるお土産店では、冷凍みかんやオリーブのお菓子などが販売されていました。

というわけで、私はオリーブのお土産を購入!!

同行者の何人かは冷凍みかんを購入していました。

淡路SA

たまねぎ丸ごとカレー
たまねぎ丸ごとカレー

フェリーで四国に戻り、名古屋へ帰ります。

その道中に、夕飯も兼ねて淡路SAへ寄りました。

注文したのは、ここの名物「たまねぎ丸ごとカレー」です。

私は野菜の中で玉ねぎが一番好きなので、これは最高ですね…!!

柔らかくて甘い玉ねぎがたまりません。

きっと次に訪れた時も注文するんだろうなと思いながら、淡路SAを出発。

無事に名古屋へ帰ることができました。

全体で見られた野鳥

旅全体で見られた野鳥は、以下でまとめています。

最後に

私の旅は、鳥に重点を置くか,学びに重点を置くかの2種類に分けられます。

今回は後者です。

そして、今までの旅の中で、最も学びになったと感じることができました。

ごみというのは人が生活する以上、必ず出るものであり、生涯に渡って付き合っていかなければならないものです。

そんなごみを町全体の努力で高いリサイクル率を誇ったところもあれば、産廃をお金もうけの道具として周囲に重大な被害を出したところもあります。

自分は何を目指すのかを考えさせられる、良い旅になったなと思いました。

謝辞

吉野川河口を案内していただいた、とくしま自然観察の会の方々

ゼロ・ウェイストセンターの案内していただいた、施設のスタッフの方

豊島事件を詳細に教えていただいた、豊島交流センターの方

名古屋から運転してくれた、KさんとJさん

本当にありがとうございました。

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