日本百名山の一つ、長野県と岐阜県にまたがる「御嶽山(おんたけさん)」。
標高3,067mを誇る独立峰であり、活火山でもあります。
その雄大な自然は多くの登山者を魅了しますが、入山には特別な注意と準備が必要です。
この記事では、御嶽山へのアクセス方法、登山ルート、火山活動に伴う安全対策、そして周辺の観光情報まで、本格的な登山を計画している方のために詳細に解説します。
安全で記憶に残る御嶽山の旅を、ぜひ計画の参考にしてください。
御嶽山へのアクセス方法

御嶽山には複数の登山口があり、それぞれアクセス方法や特徴が異なります。
主要登山口とアクセスルート
- 王滝口(田の原)コース:
主峰剣ヶ峰への最短コースです。- 公共交通機関:
- 夏期(例年7月下旬~10月中旬の特定日)には、JR中央本線木曽福島駅から王滝村営バスが運行されます(約1時間15分、1日3便)。
- 冬季は運行しませんので注意が必要です。
- マイカー:
- 中央道伊那ICから国道361号・19号などを経て田の原駐車場まで約74kmです。
- 駐車場:
- 田の原バス停の横および登山口周辺に計210台収容の無料駐車場があります。
- 公共交通機関:
- 黒沢口コース:
長野県木曽町三岳からのアクセスで、特に秋のトレッキングや紅葉狩りにおすすめです。- 御岳ロープウェイ:
- 7合目(標高2150m)まで御岳ロープウェイが運行しています。
- ロープウェイ頂上飯森駅から山頂までは登山約3時間です。
- 公共交通機関:
- ロープウェイまではJR木曽福島駅からバスで約55分です。
- 運行期間・料金:
- 御岳ロープウェイの営業期間は6月下旬から11月初旬以外は運休します。
- 運行期間中は無休ですが、天候により運休の場合もあります。
- 料金は大人往復2,600円、子供往復1,300円、幼児は無料です。
- JAFやモンベルカード提示で割引が適用されます。
- ペット(犬)も往復500円で乗車可能です。
- 駐車場: ロープウェイには1500台収容の無料駐車場があります。
- 御岳ロープウェイ:
- 濁河口コース:
岐阜県からの入山ルートで、御嶽山頂上剣ヶ峰まで約5時間かかります。- 駐車場:
- 登山者用駐車場(約40台)がありますが、見頃の時期は非常に混雑し、早朝でも満車になる可能性があります。
- 路上駐車は厳禁とされています。
- 駐車場:
- 開田口コース:
- 4合目からのスタートで、距離が長く一般向きではありませんが、大自然を満喫できます。
- 御嶽縦走コース:
- 長野県黒沢口から入山し、岐阜県濁河へ下山するコースです。
火山活動に伴う入山規制と安全対策

御嶽山は活火山であり、2014年の噴火以降、山頂の剣ヶ峰周辺は現在も火口から水蒸気が立ち上っています。
そのため、入山には特別な注意が必要です。
現在の規制状況
王滝口登山道では、災害対策基本法に基づき入山規制が実施されており、遥拝所(登山道入口から約600m地点)で規制が行われています。
遥拝所から山頂へは通行できません。
許可のない立ち入りは刑罰法令に触れるため、絶対に避けましょう。
山頂奥社の開山祭・閉山祭は八合目の御嶽神社中社で行われています。
頂上奥社の御朱印は現在いただけませんが、御嶽神社中社で限定の御朱印やお守りが受けられます。
最新の火山情報確認の重要性
登山前には、必ず最新の火山情報を確認することが不可欠です。
- やまテラス王滝(御嶽山ビジターセンター):
- リアルタイムデジタル掲示板や屋外のデジタルサイネージで24時間、最新の火山情報を発信しています。
- ヘルメットの貸し出しも行っていますので、忘れた方は必ず借りましょう。
冬季のアクセスと道路規制

冬季の御嶽山へのアクセスは、夏季と比べて格段に困難になります。
バス・ロープウェイの運休
王滝口への村営バス、御岳ロープウェイともに、冬季は運行しません。
例年、季節限定運行となります。
冬期通行止めとなる道路区間と準備
冬季(12月上旬から4月下旬頃)は、県道435号御岳山朝日線(旧チャオ御岳スキー場~濁河温泉ゲート区間)が夜間全面通行止めとなります(日中8:00~18:00は通行可能)。
積雪や路面凍結が発生するため、冬期に車でアクセスする場合は、冬タイヤの装着に加え、チェーンの携行が必要となる場合があります。
御嶽山周辺の施設と観光情報

御嶽山の周辺施設を紹介します。
やまテラス王滝(御嶽山ビジターセンター)
雄大な御嶽山を臨む新たな拠点施設で、登山前の準備や登山後の休憩スペースとして活用できます。
御嶽山の成り立ち、自然、火山活動、山と人との関わりなどを紹介する展示室があり、荷物置き場や充電コーナーも完備しています。
濁河温泉など周辺の観光拠点
濁河温泉は、御嶽山登山の拠点として利用でき、宿泊施設もおすすめです。
周辺には小坂の滝めぐりなど、自然を満喫できるスポットがあります。
また、岐阜県側の御嶽山では、標高約2,700mにある三ノ池で、雪解け水がコバルトブルーに輝き、中央に残った白い雪が龍の瞳のように見える神秘的な絶景「ドラゴンアイ」が見られることもあります。
装備や注意点

御嶽山への訪問を計画する際には、以下の点に留意することで、より安全で充実した体験が期待できます。
- 訪問時期に応じた準備と装備:
- 活火山であり、季節によってアクセス方法や入山条件が大きく異なります。
- 特に冬季は積雪・凍結が厳しく、軽アイゼンやチェーンは必須です。
- 日没時間が早まる秋から冬にかけては、森林地帯の暗くなる速度が速いため、ヘッドランプの携行も必須となります。
- 登山用ヘルメットを忘れた方は、必ず借りましょう。
- 最新情報の確認先:
交通機関の運行状況や時刻表は、各運営会社の公式サイトで確認しましょう。- 御岳ロープウェイ: https://www.ontakelift.co.jp/ 登山道や道路の通行規制、火山活動に関する最新情報は、以下の公式サイトで確認することが最も重要です。
- やまテラス王滝(御嶽山ビジターセンター): https://yamaterrace.jp/
- 飛騨小坂観光協会: https://hidaosaka.jp/
- 安全な山行のためのアドバイス:
- 降雨後など、足元が滑りやすくなるため、特に注意が必要です。
- 登山道には、一部レベルが上がる道や危険な箇所もあるため、安易に進まず、必ず現地の看板や指示に従いましょう。
まとめ
長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん)。
日本百名山の一つであり、その雄大な自然は登山愛好家を惹きつけます。
しかし、活火山であるため、事前の準備と最新情報の確認が安全な山行には不可欠です。
アクセスには、剣ヶ峰への最短ルートである王滝口(田の原)コースや、ロープウェイを利用できる黒沢口コース、岐阜県からの濁河口コースなど、複数の選択肢があります。
公共交通機関は季節限定運行となるため、特に冬季はマイカーでのアクセスが必須となり、冬タイヤやチェーンの準備が必要です。
最も重要なのは、火山活動に伴う入山規制です。
現在も剣ヶ峰周辺は入山が制限されており、遥拝所から山頂へは通行できません。
登山前には必ず「やまテラス王滝(御嶽山ビジターセンター)」などで最新の火山情報と登山道の状況を確認しましょう。
適切な装備と綿密な計画を立てることで、御嶽山の壮大な自然を安全に満喫し、記憶に残る登山体験をすることができます。
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