この日も仕事を終えて草原へ直行しました。
湿地帯も含めて一帯を歩くと、草原性の鳥たちが次々と姿を見せてくれました。
そして何より、どの種も驚くほど近くで観察できた一日でした。
オオジュリン

最初に迎えてくれたのはオオジュリン。
すっかり夏羽に換羽しており、黒く引き締まった頭部と明瞭な顔のコントラストが非常に美しい姿でした。
普段からこの場所で見られる鳥とはいえ、警戒心が強いのか、なかなか近寄らせてくれません。
ところがこの日は違いました。
こちらを気にしつつも、すっと近くの枝へ。
愛知のMFでは冬羽が中心で、夏羽といっても換羽途中どまり。
完全な夏羽を間近で見られる機会は貴重で、あらためてこの環境の豊かさを感じました。
ツメナガセキレイ

続いてツメナガセキレイ。
この地域ではおなじみの鳥ですが、この日は特に距離が近かったです。
「足の後趾(こうし)の爪が長い」という名前の由来を象徴するように、ちょうど爪の長さがよくわかる位置で止まってくれました。
爪の形状は草原での生活に適応した特徴でもあり、個体の姿と環境が見事に調和して見えました。
久しぶりに“ツメナガ感”をしっかり確認できる観察となりました。
ノビタキ

次に現れたのはノビタキ。
草原のあちこちで採餌する姿が見られ、数も多め。
おそらく雛が育ってきて、親鳥の採餌量が増えているタイミングなのでしょう。
巣立ちまであとひと踏ん張り、といった様子。
その健気な働きぶりを見ていると、無事に巣立ってほしいという気持ちが自然と湧いてきます。
オジロワシ

最後はオジロワシ。
前回、ボロボロの羽でカラスに追われていた若鳥をご紹介しましたが、今回はその“追われている現場”に遭遇しました。
大型猛禽とはいえ、カラスの執拗さにはどうにも太刀打ちできないようで、空を旋回しながら必死にかわしていました。
ここまで来ると、さすがに同情してしまうほど。
自然界の厳しさを感じつつ、力強く生き抜いてほしいものです。
見られた鳥
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
| マガモ | ハイタカ | ゴジュウカラ |
| キジバト | チュウヒ | ムクドリ |
| アオバト | トビ | ノビタキ |
| カワラバト | オジロワシ | ニュウナイスズメ |
| タンチョウ | ノスリ | スズメ |
| トウネン | アカゲラ | ツメナガセキレイ |
| ハマシギ | モズ | ハクセキレイ |
| オオジシギ | ハシボソガラス | ベニマシコ |
| ウミネコ | ハシブトガラス | カワラヒワ |
| オオセグロカモメ | シジュウカラ | ホオアカ |
| カワウ | ヒバリ | アオジ |
| アオサギ | ウグイス | オオジュリン |
| ダイサギ | コヨシキリ | 計40種 |
| ミサゴ | シマセンニュウ |
草原と湿地帯は、この季節の生命力がまっすぐ伝わってくる場所です。
近距離での観察が続いたこともあり、鳥たちの息づかいまで感じられるような濃い時間になりました。


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