この日は仕事を終えたあと、宿へ帰る道中で鳥見を楽しみました。
観察場所は、田畑と雑木林が入り混じる千葉らしいのどかな環境。
春の夕方、少し霞んだ空気の中で、思いがけない出会いが待っていました。
それでは、この日のハイライトを紹介します。
チバエナガ

最初のハイライトは、なんとチバエナガ!
千葉県に実家があり、高校時代からこの地域で鳥を見てきましたが、まさかこの年になって初めて出会うとは思いませんでした。
枝の間をすばやく移動しながら、小さな声で鳴く姿はまさにエナガそのもの。
しかし、双眼鏡をのぞくと、その眉の辺りがほんのり薄い。
「もしかして…」と思いながら観察していると、確かに普通のエナガよりも黒い帯が淡く、コゲ茶色にも見えました。
この特徴的な個体が、いわゆる「チバエナガ」と呼ばれるタイプです。
正式な亜種ではなく、本州のエナガ(学名 Aegithalos caudatus trivirgatus)の中で、特に千葉県北西部などで見られる眉の薄いタイプを指します。
北海道のシマエナガのように真っ白ではありませんが、顔つきに独特の柔らかさがあります。
チバエナガの特徴を整理すると、次の通りです。
- 眉の薄さ:
- 通常のエナガよりも黒色部が淡く、白っぽく見えることが多い。
- 生息地:
- 主に千葉県北西部を中心に、東京都や栃木県でも確認されている。
- 分類:
- 正式な亜種ではなく、地域的特徴としての個体差。
- 混在:
- 普通のエナガと同じ群れで行動することが多い。
「チバエナガ」という名称は、北海道の人気者「シマエナガ」にちなみ、千葉県で見られる特徴的なエナガを親しみを込めて呼ぶために広まりました。
正式な分類上の違いはないものの、その見た目の愛らしさから、多くのバードウォッチャーに注目されています。
この日も、数羽のエナガの群れの中にチバエナガが混ざっており、しばらく観察を続けました。
ようやく実際に見ることができた喜びとともに、長年見慣れた地元の鳥たちの奥深さを改めて感じました。
サシバ

続いて登場したのは、春を告げる猛禽、サシバ。
車を運転している最中、ふと電柱の上に止まっている姿を発見しました。
幸い、車を安全に停められる場所があったので、そっと停車してじっくり観察開始です。
サシバは下の方をじっと見つめ、獲物を狙うような仕草。
その鋭い視線の先を追っていると、次の瞬間、電柱から滑らかに飛び立ち、見事にカエルのような獲物をハンティング!
そのまま翼を大きく広げて、軽やかに林の奥へと飛び去っていきました。
観察できた個体は、美しい成鳥の雄。
時期的にも、ちょうど繁殖期のはじまりにあたるため、もしかするとメスへの求愛給餌だったのかもしれません。
見られた鳥
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
オシドリ | オオタカ | ウグイス |
カルガモ | トビ | エナガ |
キジ | サシバ | メジロ |
コジュケイ | カワセミ | ムクドリ |
キジバト | コゲラ | ツグミ |
カワラバト | チョウゲンボウ | イソヒヨドリ |
オオバン | ハシボソガラス | スズメ |
カイツブリ | ハシブトガラス | ハクセキレイ |
イソシギ | シジュウカラ | カワラヒワ |
カワウ | ヒバリ | ホオジロ |
アオサギ | ヒヨドリ | 計34種 |
ダイサギ | ツバメ |
短い時間ながらも、地元・千葉ならではの観察ができた日でした。
チバエナガという特別な出会いに加え、サシバの渡来を確認できたのは大きな収穫です。
春の訪れとともに、これからの季節がますます楽しみになってきました。
以上です。
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