山口県山口市にある瑠璃光寺五重塔は、室町時代に建立された国宝であり、日本三名塔の一つに数えられる名建築です。
応永の乱で命を落とした大内義弘の冥福を祈るため、弟の盛見によって1442年頃に建てられました。
和様建築を基調としながらも禅宗様式を取り入れた優美な姿は、檜皮葺の屋根や「逓減」の技法によるバランスの取れた造形美が際立ちます。
春の桜、秋の紅葉に彩られる景観は格別で、とりわけ紅葉シーズンは多くの観光客で賑わいます。
本記事では、五重塔の歴史や見どころ、紅葉シーズンの混雑状況や回避のポイントまで詳しく解説します。
瑠璃光寺五重塔の歴史と特徴

瑠璃光寺五重塔は室町時代を代表する建築物で、約600年の時を超えて今に伝わる大内文化の象徴です。
高さ31.2メートル、上層にいくにつれて幅が狭くなる逓減の技法により、しなやかで美しいシルエットを見せます。
屋根は檜皮葺で、自然素材ならではの落ち着いた風合いが特徴です。
- 創建:
- 1442年頃(嘉吉2年)
- 建立目的:
- 大内義弘の菩提を弔うため
- 様式:
- 和様を基調に禅宗様式を一部取り入れた独自の様式
- 構造:
- 高さ31.2メートル、逓減の技法による優美な外観
- 屋根:
- 檜皮葺
香山公園と周辺の見どころ

五重塔が建つ香山公園は、四季折々の景観が楽しめる山口市を代表する名所です。
境内には塔のほかにも、歴史や文化を感じられるスポットが点在しています。
- 香山墓所:
- 毛利家や家臣の墓が集まる歴史的な墓地
- 瑠璃光寺資料館:
- 五重塔の骨組み模型や資料を展示
- 枕流亭:
- 幕末の志士たちが密議を交わした史跡
- 池と逆さ五重塔:
- 水面に映る塔の姿が絶好の撮影スポット
紅葉シーズンの見どころ

紅葉シーズン(例年11月上旬〜下旬)には、五重塔と赤や黄色に染まるモミジが共演し、訪れる人々を魅了します。
特に池に映る「逆さ五重塔」は幻想的で、多くの写真愛好家に人気です。
- 主な紅葉樹種:
- モミジ、カエデ
- 見頃:
- 11月上旬〜下旬
- 特徴:
- 塔と紅葉が織りなす絶景
- 池に映る逆さ五重塔
- 夜間ライトアップ
ライトアップ情報
紅葉シーズンには、日没から22時までライトアップが行われます。
昼間とは異なる荘厳で幻想的な雰囲気を楽しめるため、夜間も多くの観光客で賑わいます。
- 時間:
- 日没〜22時
- 雰囲気:
- 五重塔と紅葉が浮かび上がる幻想的な光景
改修工事の状況

瑠璃光寺五重塔は、2023年から約70年ぶりの大規模改修が行われています。
2025年4月には足場が外され、新しい檜皮葺の屋根が姿を現しました。
工事は2026年3月に完了予定ですが、現在も外観の見学は可能です。
- 工事期間:
- 2023年〜2026年3月予定
- 状況:
- 2025年4月に足場が撤去済み
- 見学:
- 外観の鑑賞は可能
紅葉シーズンの混雑状況

紅葉が見頃を迎える11月は、一年で最も観光客が多い時期です。
特に土日祝日や昼間の時間帯は混雑が激しく、駐車場や周辺道路も渋滞します。
混雑が予想される時間帯
- 午前10時〜午後3時:
- 観光客が集中
- 土日祝日:
- 混雑のピーク
- ライトアップ時間:
- 日没〜22時も賑わう
混雑回避のポイント
少し工夫するだけで、混雑を避けながら快適に紅葉を楽しむことができます。
- 早朝に訪れる:
- 開園直後は比較的静か
- 夕方に訪れる:
- 閉園間際は人出が落ち着く
- 平日に訪問:
- 土日祝日を避けると混雑が緩和
- 公共交通機関を利用:
- 周辺道路や駐車場の混雑を避けられる
- 公園全体を散策:
- 五重塔以外の紅葉スポットも楽しめる
アクセスと駐車場情報

瑠璃光寺五重塔は香山公園内にあり、アクセスも便利です。
ただし紅葉シーズンは周辺道路や駐車場が混雑するため注意が必要です。
- 所在地:
- 山口県山口市香山町(香山公園内)
- アクセス:
- JR新山口駅からバスで約30分
- JR山口駅からバスで約15分
- 駐車場:
- 香山公園に無料駐車場あり(紅葉シーズンは満車になりやすい)
まとめ
瑠璃光寺五重塔は、室町時代に建てられた日本を代表する五重塔で、紅葉の時期にはさらにその美しさを増します。
池に映る逆さ五重塔やライトアップなど、見どころが多く、紅葉と建築美の両方を堪能できるスポットです。
混雑を避けるためには、早朝や平日の訪問、公共交通機関の利用がおすすめです。
改修工事の最中でも外観の見学は可能であり、2026年の完成後にはさらに美しい姿を見せてくれるでしょう。
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