この日は私が主催しているヤング探鳥会の開催日でした。
探鳥会では干潟を中心に観察しましたが、その前に緑地へ立ち寄り、夏鳥を中心にじっくりと鳥見を行いました。
春らしい動きがはっきりと感じられた一日となりました。
キビタキ

まずはキビタキから。
鮮やかな黄色が目を引き、緑地の中でもひときわ存在感があります。
英名は Narcissus Flycatcher。
これはオスの黄色が水仙の花(学名 Narcissus)を思わせることに由来します。
さらにその語源は、ギリシャ神話のナルキッソスにまで遡り、「ナルシスト」の語源とも結びつくという、ちょっとした豆知識も。
観察時は盛んに採餌しており、写真でもトンボのような虫を咥えています。
動き回りながら餌を追う様子は見応えがありました。
コサメビタキ

続いて、今季初認となったコサメビタキ。
センダイムシクイを観察していたところ、偶然視界の端に入ってきました。
コサメビタキは枝先から飛び出して虫を捕らえる“フライングキャッチ”が有名ですが、木の奥まった場所にいるとなかなか見つけづらい鳥です。
今回は運良く姿を確認できました。
センダイムシクイ

そのセンダイムシクイも、日に日に数が増えてきました。
木々の中に溶け込むような色合いですが、個体数があるため比較的見つけやすい状況です。
さえずりもよく響き、春の渡りが進んでいるのを実感します。
コゲラ

続いて、コゲラです。
当ブログではあまり登場しない鳥ですが、日本で最も小さなキツツキとしてよく知られています。
普段からよく見かけるものの、意外と撮影が難しい種で、木の高い場所でドラミングしていたり、観察しようとすると木の裏側へ回り込んだりと、なかなか手強い存在です。
この日は偶然目の前に来てくれたため、じっくり観察することができました。
スズメ幼鳥

最後はスズメの幼鳥です。
鬱蒼とした場所にスズメの親子がひっそりと隠れており、距離を保ちながらそっと観察しました。
親鳥が頻繁に幼鳥へ虫を運ぶ、見慣れた育雛行動ですが、何度見ても温かい気持ちになります。
見られた鳥
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
| ハシビロガモ | ホウロクシギ | コゲラ |
| ヒドリガモ | オオソリハシシギ | ハシボソガラス |
| カルガモ | オバシギ | ハシブトガラス |
| マガモ | トウネン | シジュウカラ |
| オナガガモ | ハマシギ | ヒヨドリ |
| コガモ | イソシギ | ツバメ |
| ホシハジロ | キアシシギ | センダイムシクイ |
| キンクロハジロ | アオアシシギ | オオヨシキリ |
| スズガモ | コアジサシ | メジロ |
| キジバト | カワウ | ムクドリ |
| カワラバト | アオサギ | コサメビタキ |
| カンムリカイツブリ | ダイサギ | キビタキ |
| ダイゼン | コサギ | スズメ |
| コチドリ | ミサゴ | ハクセキレイ |
| チュウシャクシギ | トビ | カワラヒワ |
計45種
緑地では夏鳥の渡来が本格化し、探鳥会の干潟ではシギ・チドリ類も見られるなど、多面的に春を感じられる一日でした。
渡りのピークはまだ続くため、今後も観察を重ねていきたいと思います。


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