この日も仕事終わりに鳥見へ向かいました。
場所はいつも通りの湿原。見慣れたフィールドではありますが、この時期は花や昆虫も含めて自然の動きが活発で、歩いているだけでも季節の変化を感じられます。
それでは、この日のハイライトを振り返ります。
アマツバメ

まずはアマツバメです。
高速で飛び回る姿が湿原の上空を横切っていきました。
本州では、夏になると高山帯でよく見られる鳥です。
地元の愛知でも観察できますが、その多くは平地からはるか高い場所を飛んでいることがほとんどです。
今回の観察場所は海抜の低い湿原ですが、曇り空の影響もあってか、比較的低空を飛んでいました。
アマツバメ類が曇天や雨の前に低く飛ぶのは、餌となる昆虫の動きが関係しています。
湿度が高くなると昆虫が高く飛べなくなり、地表付近に集まりやすくなります。
その虫を追う形で、アマツバメも低い高度で採餌することになるわけです。
「ツバメが低く飛ぶと雨」という言い伝えも、こうした自然の現象をよく表しています。
チュウヒ

続いてチュウヒです。
アマツバメが飛び回る下の空間を、ゆったりと滑空するように飛んでいました。
まさに典型的な探餌飛翔です。
ただ、今回の光景はそれだけではありませんでした。
なんと、一面に咲くエゾカンゾウの上をチュウヒが通過していくのです。

エゾカンゾウは、初夏の北海道の湿原を象徴する植物で、鮮やかなオレンジ色のラッパ状の花を咲かせます。
本州で知られるニッコウキスゲの近縁種で、群生すると湿原の景色を一気に華やかにしてくれます。
その花畑の上を猛禽が静かに飛ぶ光景は、思わず見入ってしまうほど美しいものでした。
ホオアカ

鳥の最後はホオアカです。
最近は草藪の奥に潜んでいることが多く、姿を見る機会が減っていましたが、この日は久しぶりに全身をしっかり確認できました。
もしかすると、繁殖もひと段落ついた頃なのかもしれません。
これまで姿を隠していた理由を考えると、そう想像するのも自然な気がします。
モウセンゴケ

最後は鳥ではなく植物です。モウセンゴケを見つけました。
ちょうど見頃の時期だったようで、湿原の地面に小さな赤い葉を広げていました。
モウセンゴケは、湿地に生育する代表的な食虫植物です。葉の表面にある腺毛から粘液を分泌し、小さな昆虫を捕らえて栄養として吸収します。
栄養の乏しい湿原環境に適応した、非常に興味深い植物です。
葉が赤く密集して生える様子が、赤いフェルト状の布「毛氈」に似ていることから、この名前が付けられました。
ここにはナガバノモウセンゴケも生育しているようですが、今回確認したものは一般的なモウセンゴケで合っているように見えました。
もっとも、植物は専門外なので断言はできませんが。
まとめ
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
| ヨシガモ | ミサゴ | コヨシキリ |
| カルガモ | ハチクマ | エゾセンニュウ |
| マガモ | ハイタカ | シマセンニュウ |
| アマツバメ | チュウヒ | ムクドリ |
| ツツドリ | トビ | コムクドリ |
| カッコウ | オジロワシ | ノゴマ |
| キジバト | ノスリ | ノビタキ |
| アオバト | アカゲラ | ニュウナイスズメ |
| カワラバト | アカアシチョウゲンボウ | スズメ |
| タンチョウ | ハヤブサ | ツメナガセキレイ |
| オオジシギ | モズ | ハクセキレイ |
| ウミネコ | ハシボソガラス | ベニマシコ |
| オオセグロカモメ | ハシブトガラス | カワラヒワ |
| カワウ | シジュウカラ | ホオアカ |
| アオサギ | ヒバリ | アオジ |
| ダイサギ | ウグイス | オオジュリン |
計48種。
この日は鳥だけでなく、湿原の植物も含めて季節を感じられる鳥見となりました。
高速で空を切るアマツバメ、花畑の上を滑るチュウヒ、久々に姿を見せたホオアカ。
そして湿地にひっそり生えるモウセンゴケ。
湿原という環境が持つ多様な生き物のつながりを、改めて実感する一日になりました。


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