この日も仕事終わりに鳥見へ。
今回のメインフィールドは湿原と樹林帯。
天気は晴れでしたが、夕方になるとまだまだ冷たい風が頬に刺さります。
そんな中でも、季節の移り変わりを感じさせる鳥たちとの出会いがありました。
カシラダカ

まずは、採餌していたカシラダカ。
地元・愛知では冬鳥としておなじみですが、北海道では旅鳥として通過していきます。
つまり、この時期だけ見られる「期間限定の鳥」です。
冠羽をピンと立てた姿が凛々しく、どこか誇らしげ。
この個体たちは、スカンジナビア半島から極東ロシアにかけてのユーラシア北部を繁殖地としています。
きっともうすぐ、北の繁殖地へと飛び立つのでしょう。
オオジシギ

続いて観察できたのは、今シーズン初となるオオジシギ。
北海道では繁殖する鳥であり、これからの時期は夜明けや夕暮れ時に見られる「ディスプレイフライト」が見どころです。
羽音と尾羽の震えで「ズビャーッ」と鳴らすあの迫力、何度見ても圧倒されます。
今後、あのアクロバティックな飛翔が見られるのが本当に楽しみです。
シロハラゴジュウカラ

樹林帯では、シロハラゴジュウカラのペアと思われる2羽を観察しました。
木の幹を上下逆さまに移動しながら、忙しなく行動している姿が印象的でした。
時期的にもペア形成の時期なので、そろそろ巣作りに入る頃かもしれません。
落ち着いた青灰色の上面と、白い腹部のコントラストがとても綺麗でした。
ノビタキ

前日に引き続き登場したノビタキ。
今回の観察地は前日とは別の場所でしたが、同じように草原の杭やヨシの上を飛び回っていました。
この短い期間で複数の場所で確認できるということは、地域全体に飛来が進んでいる証拠ですね。
日ごとに数が増えていくのが分かり、春の勢いを肌で感じます。
これからどんどん賑やかになっていくことでしょう。
カラスヘビ

最後に、鳥ではなく爬虫類のハイライト。
なんと、カラスヘビ(シマヘビの黒化型)を発見しました!
通常のシマヘビは黄褐色の体に黒い縦縞が入りますが、カラスヘビは色素異常により全身が黒くなる個体。
野外ではなかなか出会えない存在で、見つけたときは思わず「おっ!」と声を出してしまいました。
太陽光を浴びると、黒光りする鱗が美しく、神秘的な雰囲気さえあります。
まさにラッキーな出会いでした。
まとめ
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
| ヒシクイ | トビ | エナガ |
| マガン | オジロワシ | メジロ |
| オオハクチョウ | ノスリ | ゴジュウカラ |
| ヨシガモ | コゲラ | ムクドリ |
| ヒドリガモ | アカゲラ | ノビタキ |
| キジバト | モズ | スズメ |
| カワラバト | ハシボソガラス | ハクセキレイ |
| タンチョウ | ハシブトガラス | アトリ |
| オオジシギ | ヒガラ | カワラヒワ |
| ウミネコ | ヤマガラ | ホオジロ |
| オオセグロカモメ | ハシブトガラ | カシラダカ |
| カワウ | シジュウカラ | オオジュリン |
| アオサギ | ヒバリ | 計40種 |
| チュウヒ | ヒヨドリ |
この日は、旅鳥から繁殖鳥、そして珍しい黒化個体まで、バリエーション豊かな観察内容でした。
カシラダカが北へ向かう準備を進める一方で、オオジシギやノビタキは繁殖のために活動を始めています。
季節の移ろいを、鳥たちがそれぞれの形で教えてくれる。
そんな一日でした。


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