高尾山登山完全ガイド：登山道別の所要時間・ルート・食事・楽しみ方

東京都心から、わずか1時間。

高尾山は気軽にアクセスできるにもかかわらず、豊かな自然と歴史、文化が息づく高尾山は、年間を通じて多くの人々を魅了し続けています。

標高599メートルと比較的低く、初心者から本格的な登山愛好家まで、誰もが楽しめる多様な登山ルートが整備されているのが大きな魅力です。

この記事では、高尾山での滞在を最大限に楽しむために不可欠な「時間」に焦点を当て、各登山ルートの所要時間、ケーブルカーやリフトの活用法、食事や休憩、そして混雑状況や天候が時間に与える影響まで、詳細に解説します。

目的や体力に合わせた、最適な高尾山プランを立てるための参考になれば幸いです。

高尾山登山ルート：あなたにぴったりのコースは？

高尾山には、体力や目的に合わせて選べる様々な登山ルートがあります。

ここでは主要なルートをご紹介します。

初心者・ゆったり派におすすめのコース

初心者や山に慣れていない方は、以下のルートから選びましょう。

• 1号路（表参道コース）:
  • 舗装路が多く、初心者でも安心。
  • 薬王院やさる園など見どころが豊富で、観光を楽しみながら登りたい方に最適です。
  • 男坂（108段の階段）と女坂（なだらかな坂道）があり、所要時間は5〜10分程度の違いです。
• 2号路（霞台ループコース）:
  • 山頂には繋がりませんが、霞台周辺を一周する900mのコース。
  • 約40分で手軽に自然散策を楽しめます。
• 3号路（かつら林コース）:
  • 1号路から分岐し、比較的空いている静かなコース。
  • 約60分で山頂へ。
• 4号路（吊り橋コース）:
  • 高尾山唯一の吊り橋「みやま橋」を渡るスリルが魅力。
  • 約50分で山頂へ。
• 5号路（山頂ループコース）:
  • 山頂付近を一周する900mの短いコース。
  • 約30分で、山頂からの景色だけでなく周囲の自然も楽しめます。

中級者以上におすすめの挑戦コース

山に慣れている方は、以下のルートもおすすめです。

• 6号路（びわ滝コース）:
  • 沢沿いを歩く「水のコース」。
  • 飛び石区間があり、夏でも涼しく感じられます。
  • 未舗装路が多いため、登山らしい装備が推奨されます。
  • 雨上がりは滑りやすいので注意が必要です。
• 稲荷山コース（見晴らし尾根コース）:
  • 最も本格的な登山道を味わえるルート。
  • 急な階段や滑りやすい箇所もありますが、東京都心の眺望が楽しめます。

上級者向け：高尾山・陣馬山縦走コース

高尾山山頂から陣馬山まで続く全長15.3kmの本格的な縦走コース。

所要時間は約5時間20分（休憩含め約6〜7時間）と、十分な体力と事前の準備が必要です。

奥高尾の豊かな自然と開放的な展望を満喫できます。

移動手段の賢い選択：ケーブルカー・リフトの活用術

高尾山には、、ケーブルカーやリフトがあります。

山麓から山の中腹まで効率的に移動し、登山時間を大幅に短縮できます。

ケーブルカーやリフトを往復利用すれば、山頂までの歩行時間を約40分に短縮することも可能です。

体力に自信がない方や、他の観光スポットに時間を割きたい方には特におすすめです。

高尾山での食事と休憩

高尾山には、登山道の途中や山頂、高尾山口駅周辺に様々な飲食店や売店があります。

山頂・中腹の飲食店・売店

山頂付近にはお弁当を広げられるスペースや売店があります。

ケーブルカー高尾山駅周辺には「高尾山スミカ」があり、飲食店やお土産屋が充実。

高尾山の名物グルメといえば、薬王院の参道にある茶屋の団子やとろろそばが人気です。

高尾山口駅周辺の食事処・カフェ

高尾山口駅周辺には、「タカオ 599カフェ」や「タカオ コーヒー」など、おしゃれなカフェも充実しています。

下山後にリラックスした時間を過すのもおすすめです。

食事・休憩時間の目安

山頂での滞在時間は、写真撮影や昼食を楽しむために30分から1時間程度を見込むのが一般的です。

登山全体では、休憩や食事を含めて約6時間程度をみておきましょう。

主要スポットの滞在時間と楽しみ方

登山ルートの途中や山頂にある魅力的なスポットでの滞在時間も、全体の計画に含めましょう。

• 高尾山薬王院:
  • ケーブルカー高尾山駅から徒歩約20分。
  • 参拝や境内散策に60分から120分程度を見込みましょう。
  • 御朱印所は8:30〜16:30（季節変動あり）。
• 高尾山さる園・野草園:
  • ケーブルカー高尾山駅近く。
  • 公式目安は0〜30分。
  • 猿の解説や餌やり、野草鑑賞に時間をかけると1〜2時間。
• 山頂展望台:
  • 富士山や東京都心方面を一望できる絶景スポット。
  • 写真撮影や景色を楽しむために30分から1時間程度滞在するのがおすすめです。
  • 天候が良い日は、ついつい長居してしまうかもしれません。

知っておきたい！所要時間に影響する要因と対策

高尾山の標準所要時間はあくまで目安です。

以下の要因によって変動するため、事前に理解し、対策を講じましょう。

混雑状況

• 曜日:
  • 平日は比較的空いていますが、土日祝日は9:00〜13:00が最も混雑します。
• 季節:
  • 紅葉シーズン（11月上旬〜中旬の土日祝日）、ゴールデンウィーク、年末年始は特に混雑します。
  • ケーブルカーの待ち時間が最大90分に達することも。
• 対策:
  • 早朝（週末・祝日は7:00〜9:00）に訪れるのがおすすめです。
  • 混雑時には徒歩での下山ルートを検討ましょう。

天候

• 雨の翌日などは、6号路や稲荷山コースといった未舗装路がぬかるみやすく、滑りやすくなります。
  歩行速度が低下し、所要時間が延びる可能性があります。
• 対策: 雨天時は舗装されている1号路が比較的安全です。
  滑りにくい登山靴を着用し、レインウェアなどの防水対策をしっかり行いましょう。

自身の体力とペース配分

標準所要時間はあくまで目安です。

自身の体力や登山経験に合わせて、無理のないペースで進み、適度な休憩を挟むことが重要です。

疲労を軽減し、安全で楽しい山行を維持するために、柔軟なペース配分を心がけましょう。

高尾山モデルコース

高尾山のモデルコースを紹介します。

参考になれば幸いです。

初心者・観光重視のゆったり日帰りコース

ケーブルカーを往復利用し、主要観光スポットを巡るコース。

• 所要時間目安:
  • 約4〜5時間
• ルート例:
  • 京王高尾山口駅 → ケーブルカー → 高尾山駅 → さる園・野草園 → 薬王院 → 1号路で山頂へ → 山頂で休憩・景色堪能 → 1号路で高尾山駅へ → ケーブルカー → 清滝駅 → 高尾山口駅周辺で食事・休憩。

しっかり登山を楽しみたい方向けコース

登りは自然豊かなコースを選び、下りは歩きやすいコースやケーブルカーを利用。

• 所要時間目安:
  • 約5〜6時間
• ルート例:
  • 京王高尾山口駅 → 6号路（登り約100分） → 山頂 → 1号路で高尾山駅へ（約80分） → ケーブルカー → 清滝駅 → 高尾山口駅周辺で食事・休憩。

奥高尾まで足を延ばす健脚コース

高尾山山頂から陣馬山まで縦走する上級者向けコース。

• 所要時間目安:
  • 約7時間（休憩含む）
• ルート例:
  • 京王高尾山口駅 → （任意のルートで）高尾山頂 → もみじ台 → 一丁平 → 小仏城山 → 陣馬山（約5時間20分） → 陣馬高原下バス停 → 高尾駅。

高尾山を最大限に楽しむためのアドバイス

• 事前の準備と装備:
  • コースに合わせた靴（スニーカーまたは登山靴）、水分、行動食、レインウェア、防寒着、ヘッドライト（長距離コースや悪天候時）を準備しましょう。
• 余裕を持ったスケジュール:
  • 混雑や予期せぬ事態に備え、常に計画に余裕を持たせましょう。
  • 特に下山後の交通機関の時間を考慮することが重要です。
• 最新情報の確認:
  • 高尾山の公式ウェブサイトや高尾ビジターセンターのSNSなどで、登山道の状況、混雑状況、ケーブルカーやリフトの運行状況を事前に確認しましょう。

おわりに

高尾山は、そのアクセスの良さと多様な魅力により、誰もが楽しめる素晴らしい場所です。

この記事が、高尾山での計画立案に役立ち、安全で充実した、忘れられない思い出作りの一助となれば幸いです。

高尾山の豊かな自然と歴史、文化を心ゆくまでお楽しみください！