男一人で長野旅、と題して2025年5月2日に諏訪大社の四社めぐりをしてきました。
千葉県の実家から出発して、目指すは神秘と自然にあふれる長野県。
旅の目玉は諏訪大社、松本城、そして上高地ですが、今回は諏訪大社と道中のスポットを中心にレポートします。
千葉の実家から長野へ出発

連休前のやや肌寒い朝、千葉県の実家から愛車で出発しました。
この日の天気はどんよりした曇り。
雨が降らないことに感謝しつつ、高速道路には乗らず、敢えてのんびりと下道を西へ進みます。
ソロ旅行のいいところは、何も決めずに自由に立ち寄れること。
途中、道の駅を見かけたら寄るも良し、面白そうな看板があったらふらりと寄り道もできます。
今回のルートは、最初に諏訪大社四社をすべて巡り、その後松本城に足を運ぶ予定です。
車窓から眺める田園風景や小さな町並みが、すでに非日常の旅気分を演出してくれます。
道の駅しもにた:地域の力を実感!

一息つきたくなり、通りがかったのが『道の駅しもにた』。
ここは伝統的特産の下仁田ねぎやこんにゃく、新鮮な野菜、地元の加工品がずらりと並ぶ活気ある道の駅です。
旬の下仁田ねぎ(11〜2月)はこの時期ありませんでしたが、他にも地場産の野菜や名物のお土産が目に止まります。
ドライブのつもりがつい夢中になって店内を物色。
「宅配サービス」や「子ども文化教室」など、地元の暮らしを支える施設であることも知りました。
地域密着の雰囲気は、そこに集う人の温かさにも現れていました。
トイレだけのつもりが長居してしまい、「これが一人旅の醍醐味だな」と実感。
ちなみに、下仁田ねぎの加工品やこんにゃく、おやつに地元の和菓子を購入して、道中のお供にしました。

白樺湖:凛とした湖畔とバードウォッチング

諏訪方面へ山道を走ると、霧ヶ峰高原の玄関口として人気の「白樺湖」が見えてきます。
標高約1,400mとあって実に空気が爽やか。
湖周4kmほどの美しい人工湖ですが、見下ろすような風景はまるでアルプスリゾートのよう。
湖畔に車を駐めて、散策を開始。
観光地化されていて、周囲にはホテルやお土産屋、アスレチックや遊園地まであり、賑やかさと静けさが共存しています。

この日は平日で人もまばら、鳥のさえずりと山の空気を存分に堪能できました。
バードウォッチャーとしての密かな願いが叶い、湖畔の小道に「ジョウビタキ」の姿を発見!

ここ長野県では近年、夏に繁殖する個体が増えています。
特に八ヶ岳や霧ヶ峰、諏訪地方はその代表的なエリア。
自然環境の変化を感じさせる、小さな発見でした。

さらに、オオヨシキリの鳴き声まで聞こえて、思わずほくそ笑む瞬間。

こんな標高が高いところにも来るんだなぁと関心するばかりです。
人も少なく静寂の中に身を置くと、忙しない毎日を忘れられ、旅心がぐんと高まります。
「白樺湖リゾート」は夏でも避暑地として人気があり、四季折々の違った表情もまた楽しみのひとつ。

バードウォッチング以外にも、写真を撮ったり、湖畔の散策コースでリフレッシュしたりと、一人でも十分楽しめます。
いざ本番!諏訪大社 四社めぐりスタート
諏訪大社は諏訪湖の周囲に「上社前宮・上社本宮・下社春宮・下社秋宮」の四社から成り、神社ファンなら一度は巡ってみたい“パワースポットの総本山”です。
御朱印めぐりも有名で、四つの社をきちんと巡ることで、より深く信仰の世界に触れられます。
順路は「上社前宮→上社本宮→下社秋宮→下社春宮」に決定。
効率を重視しつつ、その道中でそれぞれの社の特色や雰囲気を味わいながら巡拝しました。
1.上社前宮――信仰のはじまりの場所

長野県茅野市、山裾の静かな住宅地の中にひっそりとたたずむ上社前宮。
ここは諏訪信仰が始まった「聖地中の聖地」。
諏訪神(建御名方神)が最初に居を構えたという伝説が漂い、今に続く諏訪大社信仰の原点です。

駐車場に車を止め、鳥居をくぐって参道を登ると、優しい新緑のトンネルと森の静けさが出迎えてくれます。

途中には休憩できる交流センターもあり、周囲に観光客よりも地元の参拝者が目立つのも特徴。

人混みとは縁遠く、「神域」という言葉がぴったりの雰囲気です。
本殿近くに進むと、歴史の重みと神々しさに圧倒されます。

昭和初期に建てられた質素な社殿ですが、その佇まいがかえって信仰の原点を感じさせます。
手を合わせて感謝を捧げて、山の清らかな空気とご神気を全身で感じました。
華やかさはありませんが、「信仰の始まり」らしい静謐さがあり、パワースポット好きにもおすすめです。
2.上社本宮――神聖と荘厳のコントラスト

上社前宮から2kmほど移動し、いざ上社本宮へ。

上社本宮は諏訪湖の南、守屋山山麓に鎮座し、広大な社叢(樹林)が広がる静かな場所です。
本殿を持たない特殊な構造が特徴的で、「拝殿」「幣殿」「片拝殿」「四脚門」などが一直線に並ぶレイアウトはここだけのもの。
特に拝殿は、華麗な彫刻が施された江戸時代の建築で、国の重要文化財。

立川流の技が冴える龍や雲など壮麗な装飾に時間を忘れて見入ってしまいました。
また、東参道入り口にある大欅は、諏訪市の天然記念物。

どっしり構えた巨樹の存在感が素晴らしく、地元の人々が大切に守ってきたことが伝わってきます。
境内はとても広く時間をかけての散策がオススメ。

苔や木漏れ日の道を歩けば、厳かな空気に心が引き締まります。
ただ、神楽殿は残念ながら工事中だったので次回にリベンジ予定です。

3.下社秋宮――豪壮な彫刻、温泉と伝説の神木

上社エリアから北上して下社へ。
下諏訪町の中心に位置し、旧中山道と甲州街道が分岐する交通の要所。
諏訪湖の北側です。
秋宮は、幣拝殿・神楽殿など諏訪大社を代表する豪壮な建築群が並び、とりわけ江戸時代の名工・立川流の初代・富棟による豪華な彫刻は圧巻。

幣拝殿は「竹に鶴」の名作が有名で、間近で見ると細かな彫りの美しさにため息が出ます。
神楽殿脇には日本一大きな青銅の狛犬が鎮座し、写真スポットにもなっていますが、迫力は本物。

手水舎では脇から「御神湯」と呼ばれる温泉が流れていて、冷たい山水で手を清めた後に、そのお湯であったまるという不思議な体験ができます。
境内でひときわ目を引くのが「根入の杉」。

推定樹齢700〜800年の御神木で、夜になると枝を下げて眠る(?)という伝説が伝わっています。
パワーをもらえるような気分でしっかり拝んできました。
境内には子宝・安産祈願の「子安社」もあり、家族連れの姿もちらほら。
都会の神社にはない「物語」を随所に感じる場所です。
4.下社春宮――不思議な浮島と名物石仏

秋宮からすぐ、下社春宮へ移動。
春宮は秋宮と比べるとややコンパクトですが、神楽殿・幣拝殿・左右片拝殿が並ぶ凝縮された美しさがあります。

神楽殿はどこか厳かな雰囲気で、秋宮と趣がよく似ていることに気づきます。

この社の名物は何といっても「浮島」社。

境内の奥、砥川に浮かぶように建つ社殿で、いかなる大水でも流されない、という不思議な伝説が残っています。
赤い浮き橋を渡り、小さな御柱が立つ浮島で静かに祓戸大神にお参りしてきました。

そしてもう一つの名物が「万治の石仏」。
巨大な半球状の石にちょこんと顔が乗った、なんともユーモラスな姿が全国的にも有名です。

由来は、石工が鳥居を造ろうと石にノミを入れたところ血が流れ出たので、供養のために彫ったという伝説。
現地の案内でも「強烈な個性」と紹介される通り、旅人の間で密かなパワースポットになっています。
参拝法も独特で、「よろずおさまりますように」と願いながら三周回り、最後に「よろずおさめました」と一礼するというもの。
思い切って実践したら、ちょっと恥ずかしいけど旅の恥はかき捨てです。
五感で楽しむ体験施設「おんばしら館 よいさ」

諏訪大社下社春宮のすぐそばにある「おんばしら館 よいさ」も忘れず立ち寄り。
ここは、七年に一度の御柱祭(おんばしらまつり)を疑似体験できる博物館です。

巨大な御柱のレプリカ、実際の祭りの様子を大画面で観たり、坂を下る「木落し」場面を振動付きで体感できたりと、子供にも大人にも大人気。
展示だけでなく、音・振動・映像を駆使した体験型の施設でした。
外にも仕掛けがいっぱい!
特に目立っていたのが、「鉄腕アトム」のデザインマンホール。

手塚治虫の祖先が秋宮と縁があるということで、2024年に設置されたとのこと。
ちょっとほっこり、思わず写真を撮ってしまいます。
まとめ:一人でも満喫!諏訪大社四社めぐり
一日かけて、諏訪大社四社をすべて巡りましたが、それぞれの社が持つ歴史、空気感、パワーが全然違うことに驚かされました。
それぞれの場所でゆっくり過ごすことで、御朱印やお守りだけでなく、自分自身の中に何かリセットできた気がします。
道中寄り道した白樺湖や道の駅も含めて、一人旅だからこその自由な行程。
自然に癒やされ、伝統文化や信仰に触れる充実の一日でした。
この後は松本城に向かう予定ですが、長くなってしまったので今回はここまで。
「一人で諏訪大社四社めぐり、できるかな?」と思っている方も、予想以上に楽しめますし、一つ一つの社をじっくり味わうことができますよ!
次回、『松本城編』もぜひご期待ください。


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