日本の心のふるさと、伊勢神宮。
伊勢神宮には、豊受大御神を祀る外宮(豊受大神宮)と、天照大御神を祀る内宮(皇大神宮)があります。
古くからの習わしである「外宮先祭(げくうせんさい)」に従い、まずは外宮を参拝し、次に内宮へ向かうのが正式な参拝順路とされています。
この記事では、主要都市からのアクセス方法から、伊勢市到着後の現地での移動、駐車場情報、そしてお得なきっぷまで、伊勢神宮のアクセスに関して幅広く紹介します。
主要都市から伊勢市へのアクセス

伊勢市への主要な鉄道駅は、JRと近鉄が乗り入れる「伊勢市駅」と、近鉄の「宇治山田駅」です。
東京から伊勢市へ
東京からは、主に新幹線と近鉄特急を乗り継ぐ方法と、高速バスを利用する方法があります。
- 鉄道(新幹線+特急):
- 所要時間: 約3時間12分〜3時間30分
- 料金: 約12,180円〜13,640円
- メリット: 最速で快適な移動が可能です。
- デメリット: 料金は高めです。
- 乗り換え: 東京駅から名古屋駅まで新幹線、名古屋駅から近鉄名古屋駅へ徒歩移動(約15分)、近鉄名古屋駅から近鉄特急で伊勢市駅へ。
- 高速バス:
- 所要時間: 夜行バスで約9時間以上、昼行バス+電車で約7時間半〜
- 料金: 約3,800円〜4,000円
- メリット: 最も安価に移動でき、夜行バスは宿泊費の節約にもなります。
- デメリット: 所要時間が長く、快適性は鉄道に劣ります。
大阪から伊勢市へ
大阪からは、近鉄特急が最も便利で一般的な移動手段です。
- 鉄道(近鉄特急):
- 所要時間: 最短約1時間44分
- 料金: 約3,510円(特急料金別途)
- メリット: 最速で快適、乗り換えも少ないため非常に便利です。
- 乗り換え: 大阪難波駅から伊勢市駅まで直通または乗り換え1回。
- 高速バス:
- 所要時間: 約2時間50分〜4時間30分
- 料金: 約1,800円〜2,200円
- メリット: 鉄道より安価です。
- デメリット: 直行便の運行状況が変動的なため、事前の確認が必要です。
名古屋から伊勢市へ
名古屋は伊勢志摩地域への主要な玄関口であり、鉄道アクセスが非常に発達しています。
- 鉄道(近鉄特急・急行、JR快速「みえ」):
- 近鉄特急: 最速約1時間22分、料金約3,080円(特急料金別途)。速さと快適性を重視する方におすすめです。
- 近鉄急行: 最安約1時間50分、料金約1,740円。特急券不要で安価ですが、本数が少ないため時刻表の確認が必要です。
- JR快速「みえ」: 約1時間55分、料金2,040円(回数券利用で1,260円)。回数券を利用すると非常にお得です。
- メリット: 豊富な選択肢があり、目的に合わせて選べます。
- デメリット: JRは本数が少ない場合があります。
- 高速バス:
- 運行状況: 現状、名古屋から伊勢市への直行便は限定的です。
- アクセス手段として一般的ではありません。
伊勢市到着後の現地での移動

伊勢市駅・宇治山田駅・五十鈴川駅から伊勢神宮(外宮・内宮)への移動方法です。
外宮へのアクセス
外宮は、伊勢市駅や宇治山田駅から非常に近いです。
- 徒歩:
- JR・近鉄「伊勢市駅」から外宮までは徒歩約5分。
- 近鉄「宇治山田駅」からも徒歩圏内です。
- 伊勢市駅では「JR側出口」から出ると便利です。
- バス・タクシー:
- 伊勢市駅前や宇治山田駅前から三重交通バスやタクシーも利用可能です。
内宮へのアクセス
内宮は主要駅から距離があるため、バスやタクシーの利用が推奨されます。
- バス(三重交通バス):
- 伊勢市駅・宇治山田駅・外宮から:
- 「内宮前行」のバスが約15〜20分間隔で運行。
- 運賃は大人450円〜520円。
- 五十鈴川駅から:
- 「内宮前行」のバスが約20〜25分間隔で運行。
- 運賃は大人220円。
- 最寄りバス停:
- 「内宮前」が宇治橋に最も近く、「神宮会館前」がおかげ横丁に便利です。
- メリット:
- 定期的に運行されており、最も一般的な移動手段です。
- デメリット:
- 交通状況によっては渋滞の影響を受ける可能性があります。
- 伊勢市駅・宇治山田駅・外宮から:
- タクシー:
- 伊勢市駅・宇治山田駅・外宮から内宮:
- 約15分、料金約2,000円。
- 五十鈴川駅から内宮:
- 約8分、料金約1,100円。
- メリット:
- 早く移動でき、荷物が多い場合に便利です。
- デメリット:
- 費用はバスより高くなります。
- 伊勢市駅・宇治山田駅・外宮から内宮:
- 徒歩:
- 伊勢市駅・宇治山田駅・外宮から内宮:
- 約4km、徒歩約1時間。
- 上り坂があるため、歩きやすい靴が必要です。
- 五十鈴川駅から内宮:
- 約2.3km、徒歩約30分。
- 整備された歩道があり、比較的歩きやすいです。
- 注意点:
- 距離があるため、時間と体力が必要です。
- 伊勢市駅・宇治山田駅・外宮から内宮:
外宮から内宮への移動

「外宮先祭」の習わしに従い、外宮参拝後には内宮へ移動します。
約4km離れているため、移動手段の選択が重要です。
- バス:
- 所要時間: 約8分〜16分(交通状況による)
- 運賃: 大人520円
- 運行頻度: 10分〜15分間隔で運行。
- メリット: 最も一般的な移動手段です。
- タクシー:
- 所要時間: 約15分
- 料金: 最大2,000円程度
- メリット: 早く移動でき、時間を節約したい場合に便利です。
- 徒歩:
- 所要時間: 約1時間
- メリット: 費用はかかりません。
- デメリット: 時間と体力が必要です。
自家用車でのアクセスと駐車場情報

自家用車での訪問は自由度が高いですが、混雑期には注意が必要です。
駐車場情報
- 内宮の駐車場:
- 最初の1時間まで無料。
- その後は有料(例: 2時間まで500円)。
- 平日でも朝9時半には満車になることが多い。
- 混雑時は2時間待ちになることもあります。
- 外宮の駐車場:
- 2時間まで無料。
交通規制とパーク&バスライド
年末年始や土日祝日など、特定の期間には伊勢神宮周辺で広範囲な交通規制が実施されます。
- 交通規制:
- 高速道路のIC出口規制(伊勢西IC・伊勢IC)、外宮前・内宮前の一部道路の通行禁止など。
- パーク&バスライド:
- 交通規制期間中は、県営サンアリーナ周辺の臨時駐車場に車を停め、そこから無料シャトルバスで神宮へ移動する「パーク&バスライド」の利用が必須となる場合があります。
- 駐車整理料として1台あたり1,000円がかかります。
お得なきっぷ・周遊パス

伊勢志摩エリアを効率的にお得に観光するために、様々な割引切符が提供されています。
- 近鉄のお得なきっぷ:
- 伊勢神宮参拝デジタルきっぷ:
- 伊勢志摩フリー区間の近鉄電車と三重交通バスが乗り放題。
- 往復特急券付き/なしが選べ、3日間有効。
- デジタルまわりゃんせ:
- 伊勢・鳥羽・志摩エリアを4日間お得に巡れるきっぷ。
- 往復特急券や22の観光施設の入場・入館が含まれます。
- 伊勢神宮参拝デジタルきっぷ:
- JR東海のお得なきっぷ:
- 伊勢・鳥羽エリアフリーきっぷ:
- 快速「みえ」の往復乗車券と、フリー区間内のJR線乗り放題、三重交通バス引換券がセット。
- 2日間有効。
- 伊勢・鳥羽エリアフリーきっぷ:
- 三重交通のお得なきっぷ:
- 伊勢鳥羽みちくさきっぷ:
- 伊勢・鳥羽エリアの三重交通バスが乗り放題。
- 多数の観光施設割引特典付き。
- 1日券と2日券があります。
- 伊勢鳥羽みちくさきっぷ:
これらのきっぷは、交通費の節約だけでなく、観光施設での割引など、旅全体の満足度を高める特典が付帯している場合があります。
旅のヒントと注意点

- 混雑を避ける:
- 年末年始や土日祝日は大変混雑します。
- 三が日を避けるか、早朝(5時から8時)または夕方以降の時間帯に訪問するのがおすすめです。
- 公共交通機関 vs 自家用車:
- 公共交通機関:
- 渋滞に関係なくアクセスでき、お得なきっぷも豊富。
- 特に交通規制期間中は有利です。
- 自家用車:
- 移動の自由度が高いですが、駐車場の確保が大きな課題。
- 混雑時の長時間の待ち時間や交通規制に注意が必要です。
- 公共交通機関:
- 伊勢市駅の出口:
- バスやタクシーを利用する場合、または先に外宮へ向かう場合は、伊勢市駅の「JR側出口」から出るのが便利です。
まとめ
伊勢神宮への旅は、事前の情報収集と計画が成功の鍵となります。
主要都市からのアクセス方法、伊勢市到着後の現地での移動、そして自家用車での訪問を検討する際の駐車場や交通規制の情報、さらにはお得なきっぷの活用など、様々な要素を考慮して、ご自身の旅のスタイルに合った最適なプランを立てましょう。
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