ビッグサンダー・マウンテンに乗ると「尿路結石が出やすい」という話を聞いたことはありませんか。
一見すると都市伝説のように思えますが、実はこの話には学術的な裏付けがあり、2018年にはイグノーベル賞を受賞した本物の研究として世界中で話題になりました。
この記事では、なぜビッグサンダー・マウンテンが尿路結石の排出に関係すると考えられているのかを、実験内容や物理的なメカニズムとともに詳しく解説します。
また、東京ディズニーランドで乗車する際の座席選びについても紹介します。
イグノーベル賞とは?

まず知っておきたいのが、この研究が受賞した「イグノーベル賞」です。
イグノーベル賞は、ユーモアのあるテーマを扱いながらも、科学的には非常に真面目な研究を表彰する賞として知られています。
「笑わせて、そして考えさせる研究」が理念となっており、受賞論文は査読を経た正式な学術研究です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 創設 | 1991年 |
| 創設者 | マーク・エイブラハムズ |
| 理念 | 人々を笑わせ、そして考えさせる研究 |
| 特徴 | 査読付き論文が対象となる本格的な学術賞 |
「ビッグサンダー・マウンテンと尿路結石」の研究も、ジョークではなく医学的・物理学的に検証された研究成果として評価されています。
ビッグサンダー・マウンテンと尿路結石の研究とは?

この研究は、アメリカ・ミシガン州立大学のデイヴィッド・ウォーティンガー教授らによって行われました。
きっかけは、一人の患者から「ウォルト・ディズニー・ワールドのビッグサンダー・マウンテンに3回乗ったところ、3回とも結石が自然に排出された」という報告を受けたことでした。
その後も同様の体験談が続いたため、「偶然ではなく物理的な理由があるのではないか」と考え、本格的な検証が始まりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受賞年 | 2018年 |
| 受賞部門 | イグノーベル医学賞 |
| 研究者 | デイヴィッド・ウォーティンガー教授ら |
| 研究場所 | ウォルト・ディズニー・ワールド(フロリダ) |
実験では233回もビッグサンダー・マウンテンに乗車
研究チームは、人間の腎臓と尿路を3Dプリンターで精密に再現した模型を製作しました。
模型の中には本物の尿と尿路結石を入れ、リュックサックに収納。
そのリュックを背負った状態で、ビッグサンダー・マウンテンに233回も乗車し、結石がどれだけ移動するかを記録しました。
実験方法は非常にシンプルですが、膨大なデータを積み重ねたことで、世界的にも高く評価される研究となりました。
実験内容
- 3Dプリンターで腎臓模型を作成
- 本物の尿と尿路結石を使用
- リュックに収納して乗車
- ビッグサンダー・マウンテンへ233回乗車
- 毎回結石の移動量を記録
なぜビッグサンダー・マウンテンで結石が動きやすいのか

研究では、ビッグサンダー・マウンテン特有の動きが重要だと考えられています。
廃坑列車という設定のため、コース全体が左右へ細かく揺れ、不規則な振動が続きます。
この振動が腎臓内にある小さな結石を少しずつ動かし、自然排出につながる可能性があるとされています。
また、最高速度は約40km/hと比較的穏やかなため、強すぎるGがかからないこともポイントです。
結石が動きやすい理由
- 左右へ細かく揺れる振動が続く
- 不規則な横Gが繰り返し発生する
- 強すぎない重力で結石が固定されにくい
- 小さな結石が少しずつ移動しやすい
特に直径4mm以下の結石で効果が確認されました。
前列より後列のほうが効果が高かった
この研究で最も有名なのが、座席による違いです。
後方の車両は坂を下る際に「ムチ」のような動きが生まれ、前方よりも大きな振動を受けます。
その結果、結石が動く確率が大きく向上しました。
| 座席位置 | 結石が移動した割合 | 特徴 |
|---|---|---|
| 前方 | 約16.6% | 振動が比較的穏やか |
| 後方 | 約63.9% | 最も大きな振動が発生 |
約4倍もの差が確認されたことから、座席位置が結果に大きく影響することが分かりました。
スペース・マウンテンなど他のコースターでは効果が低かった

「他のジェットコースターでも同じでは?」と思う方もいるでしょう。
実際に研究チームは、スペース・マウンテンやロックンローラー・コースターなどでも実験を行いました。
しかし、ビッグサンダー・マウンテンほどの効果は確認されませんでした。
| アトラクション | 結果 |
|---|---|
| ビッグサンダー・マウンテン | 高い排出効果を確認 |
| スペース・マウンテン | 効果は限定的 |
| 高速絶叫コースター | ほとんど効果なし |
理由として考えられているのは次のとおりです。
- 滑らかな動きで細かい振動が少ない
- 強すぎるGで結石が固定される
- 急加速やループでは横揺れが少ない
つまり、「激しいコースターほど効果がある」というわけではなく、ビッグサンダー・マウンテン特有の揺れ方が重要だったのです。
東京ディズニーランドでも同じ効果は期待できる?

研究はフロリダのウォルト・ディズニー・ワールドで行われました。
一方、東京ディズニーランドのビッグサンダー・マウンテンも同系統のアトラクションであり、コースレイアウトや走行特性も非常によく似ています。
そのため、同様の物理的な振動は期待できますが、日本で同じ実験が実施されたわけではありません。
また、最後尾に乗りたい場合は、キャストへ相談すると混雑状況によっては案内してもらえる場合があります。
ただし、必ず希望が通るわけではないため、その日の運営状況が優先されます。
医療目的で乗ることはおすすめできない

この研究は非常に興味深いものですが、治療法として推奨されているわけではありません。
特に大きな結石や、すでに強い痛みが出ている場合は、アトラクションの振動によって症状が悪化する可能性があります。
注意点
- 医療行為の代わりにはならない
- 激しい痛みがある場合は乗車を避ける
- 5mm以上の結石は医師へ相談する
- 異常を感じた場合は早めに医療機関を受診する
あくまで研究結果として紹介されている内容であり、体調に不安がある場合は無理に試さないようにしましょう。
まとめ
ビッグサンダー・マウンテンと尿路結石の関係は、2018年にイグノーベル医学賞を受賞した本格的な研究によって世界中の注目を集めました。
特に、不規則な横揺れと適度な振動が小さな結石を動かしやすくする可能性が示され、後方車両では約64%という高い移動率も確認されています。
もちろん、医学的な治療を目的に乗るものではありませんが、「ディズニーの人気アトラクションが医学研究の題材になった」というユニークなエピソードとして知っておくと、次にビッグサンダー・マウンテンへ乗る際の見方が少し変わるかもしれません。



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