この日も仕事を終えてからの夕方鳥見。
空気はまだ冷たいものの、雪解けが進み、沼や草原には少しずつ春の息吹が感じられるようになってきました。
今回は、そんな沼と草原エリアを中心に観察。
静かに双眼鏡を構えると、そこには春の訪れを告げるような鳥たちの姿がありました。
それでは、この日のハイライトを紹介します。
ノビタキ

まず最初に出会ったのは、今シーズン初となるノビタキ。
小さな体で草原の杭や枝の上をひょいひょいと移動しながら、警戒心強く周囲を見渡していました。
北海道ではノビタキは繁殖期に見られる鳥。
この広大な草原地帯が、これから彼らの繁殖地となっていきます。
観察した個体はすでに夏羽に換羽しており、黒い頭と白い頬、そしてオレンジ色の胸がくっきりと映えていました。
春の陽光を浴びながら枝先にとまるその姿に、「いよいよ春が始まったな」としみじみ感じます。
近くでは数羽が飛び回っており、今後このエリアでのペア形成や追いかけっこも見られそうです。
これからの季節が楽しみですね。

マガン

続いては、いつものおなじみのマガン。
この時期の北海道では、彼らの編隊飛行が日常の風景となっていますが、それでも見飽きることはありません。
この日、特に印象的だったのは、利尻富士を背景に飛ぶマガンの群れ。

雄大な山をバックに、力強く空を渡る姿はまさに「春の北海道」を象徴する光景でした。
自然の雄大さと、そこに生きる鳥たちの生命力が交わる瞬間。
その場の空気ごと記憶に焼き付けたくなるほど美しい時間でした。
ガンカモ類の群れ

最後に観察したのは、沼で採餌していたガンカモ類の群れです。
オナガガモやヒドリガモ、マガモなど、さまざまな種が入り混じって水面で静かに食事をしていました。
渡りの前のこの時期、彼らにとってエネルギー補給はとても大切。
群れ全体で協調しながら、次の目的地へ向けてしっかりと体を整えているようでした。
静かな夕暮れの沼に、羽音とさざ波だけが響く。
そんな穏やかで力強い時間が流れていました。
まとめ
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
| ヒシクイ | タンチョウ | ハシブトガラス |
| マガン | ウミネコ | ハシブトガラ |
| オオハクチョウ | オオセグロカモメ | ヒバリ |
| ハシビロガモ | カワウ | ヒヨドリ |
| ヒドリガモ | アオサギ | メジロ |
| カルガモ | チュウヒ | ムクドリ |
| マガモ | ハイイロチュウヒ | ノビタキ |
| オナガガモ | トビ | スズメ |
| コガモ | オジロワシ | ハクセキレイ |
| ホシハジロ | ノスリ | カワラヒワ |
| キンクロハジロ | アカゲラ | マヒワ |
| スズガモ | ハヤブサ | ホオジロ |
| キジバト | モズ | オオジュリン |
| カワラバト | ハシボソガラス | 計41種 |
この日の鳥見は、「春の始まり」を感じさせてくれる一日でした。
ノビタキの登場に、季節の移ろいを実感し、
マガンの飛翔に、自然の雄大さを再認識し、
ガンカモたちの群れからは、命のつながりと渡りのドラマを感じました。
北海道の春は、まだ肌寒さを残しつつも、確実に命の活動が動き始めています。
これから次々とやってくる夏鳥たちとの出会いが、ますます楽しみです。


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