この日も仕事終わりに鳥見へ。
雪がしんしんと降りしきる中でしたが、風は穏やかで視界も悪くなく、問題なく観察できました。
今回は、沼と雑木林をメインにゆっくりと歩きながらの鳥見。
春の訪れと冬の名残が交錯する北海道らしい風景の中で、多くの出会いがありました。
それでは、この日のハイライトを紹介します。
タンチョウ

まずは、待ちに待ったタンチョウ!
ついにこの地にも渡ってきました。
「北海道といえばタンチョウ」というイメージを持たれがちですが、私が普段観察している地域では、冬の間は姿を見ることがありません。
春になると繁殖のために戻ってくる個体を待つしかないのです。
そして、その季節がようやく到来しました。
しかも今回観察した個体は足環付き。
よく見ると「450」という番号があり、調べたところ、2022年11月に豊富町で捕獲され、同年12月12日には鶴居村で確認された個体とのこと。
長旅を終えて、これから繁殖期を迎えるタンチョウ。
無事に元気なヒナを育ててほしいですね。
アトリ

続いて現れたのはアトリ。
ここでは初めての観察記録となりました。
数羽の群れが雑木林の上を軽やかに飛び交い、まるで春風と戯れるようでした。
アトリという名前の由来は「集まる鳥」。
その名の通り、群れで行動する姿が特徴的です。
おそらく北への渡りの途中で立ち寄ったのでしょう。
旅の一瞬に出会えたことに感謝です。
1羽1羽が遠いので、別日に撮影したアトリもはっておきます。

マヒワ

続いては、マヒワ。
冬の北海道ではよく見られる鳥ですが、この時期になるとそろそろお別れのタイミングです。
枝の上で数羽が鳴き交わし、鮮やかな黄色の体が雪景色の中でひときわ映えていました。
冬から春へ、季節のバトンをつなぐ存在のようで、しばらく見入ってしまいました。
マガン

次に登場したのはマガン。
前日の観察でも話題にしたオオハクチョウ同様、マガンも渡りの準備を進めています。
この地域では、群れで飛翔する姿がほぼ日常の光景。
広大な空を背景にV字隊形で飛ぶ姿には、何度見ても心を打たれます。
渡りの前、最後の採餌ポイントとしてこの地を選んでいるのでしょう。
見納めの日が近いと思うと、名残惜しさを感じます。
アカゲラ

そしておなじみのアカゲラ。
「キツツキといえばこの鳥」と言えるほど代表的な種です。
コツコツと木をつつく音が静かな林に響き渡り、姿を探すと、赤と黒のコントラストが美しい個体が樹幹に止まっていました。
北海道では町中でも見られる身近な鳥ですが、やはり出会うと嬉しいものです。
宿の近くにも雑木林があるので、もしかすると繁殖しているのかもしれません。
今後の観察が楽しみです。
エゾユキウサギ

最後は鳥ではなく、哺乳類のエゾユキウサギ。
雑木林を歩いていると、少し開けた場所で、姿勢よくおすわりしている姿を発見しました。
距離がかなりあったので、気づかれないようにゆっくりと接近。
木の陰に隠れながら少しずつ距離を詰め、木々の隙間からそっとレンズを向けて撮影しました。
まるでこちらを観察しているかのように、じっと動かずに雪の上にたたずむ姿が印象的でした。
まとめ
今回、見られた鳥は以下のとおりです。
| ヒシクイ | タンチョウ | ヤマガラ |
| マガン | ウミネコ | ハシブトガラ |
| オオハクチョウ | オオセグロカモメ | シジュウカラ |
| オシドリ | カワウ | ヒバリ |
| ハシビロガモ | アオサギ | ヒヨドリ |
| ヨシガモ | ミサゴ | ウグイス |
| ヒドリガモ | トビ | エナガ |
| カルガモ | オオワシ | メジロ |
| マガモ | オジロワシ | キバシリ |
| オナガガモ | ノスリ | ムクドリ |
| コガモ | コゲラ | スズメ |
| キンクロハジロ | アカゲラ | ハクセキレイ |
| スズガモ | モズ | アトリ |
| キジバト | ハシボソガラス | カワラヒワ |
| カワラバト | ハシブトガラス | マヒワ |
| オオバン | ヒガラ | ホオジロ |
雪の中での鳥見となったこの日。
タンチョウの到来からはじまり、アトリやマヒワ、マガンなど渡りの途中にある鳥たちとの出会い。
そしてアカゲラやエゾユキウサギといった北海道らしい面々まで、春の息吹と冬の余韻を同時に感じる一日となりました。



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