【初心者必見】冬に見ておきたい鳥 12選

ミユビシギを背景にしたサムネ画像 BIRD

バードウォッチングを始めるのに、最適な時期です。

理由は2点あります。

それは、水鳥が多い点と落葉している点です。

今回は、そんな冬に見ておきたい鳥12種類を紹介します。

記事の信頼性

私は2013年から鳥を見始めています。
Instagramで鳥に関する発信をし、1万人以上のフォロワーを獲得しました。

最初に

カモ類は冬に多く訪れるので、観察してもらいたい鳥達です。

カモ類に関しては↑の記事でまとめているので、こちらもチェックしましょう。

また、今回は冬に多く見られる鳥を紹介します。

場所によって年中見られる鳥も紹介するので、”↓で紹介する鳥=冬鳥” と勘違いしないようにご注意ください。

カンムリカイツブリ

カンムリカイツブリ
学名Podiceps cristatus
全長40-50cm
生息環境湖沼,池,河川,海岸など
鳥類目録第7版準拠

最初に紹介するのは、カンムリカイツブリです。

あらゆる水辺に飛来し、白いボディが目立ちます。

日本で見られるカイツブリ類の中では最大級で、他のカイツブリと比較すると首が長く見えます。

名前の通り、夏羽になると豪華な冠羽になるのが特徴です。

また、カイツブリ類ということで、頻繁に潜水して採餌します。

オオバン

オオバン
学名Fulica atra
全長36-39cm
生息環境湖沼,池,河川,水田など
海水域より淡水域を好む
鳥類目録第7版準拠

一般的に冬鳥ですが、北海道では夏鳥として飛来します。

また、本州以南で留鳥の場所も。
私の地元でも数羽は越夏します。

白い額板と、赤い虹彩が特徴的な鳥です。

水中で見にくいですが、オオバンには特殊な足が備わっています。

弁足と言い、特異な水かきが特徴です。

泳ぎが上手で、マガモやカルガモよりもスピード感に溢れています。

タゲリ

タゲリ
学名Vanellus vanellus
全長28-31cm
生息環境水田,畑,河川,草地など
鳥類目録第7版準拠

主に冬鳥として飛来しますが、国内でも繁殖の記録があります。

ちなみに、北海道では稀な旅鳥です。

上面の緑や赤の光沢が美しい鳥で、その美しさから「田園の貴婦人」という異名が付けられています。

黒くて長い冠羽も特徴的で、「アンテナ」と呼ばれることも。
私の周りだけかもしれませんが…

「ミュー」という猫のような声で鳴くので、観察する際はしっかり聞き耳を立てましょう。

ミユビシギ

ミユビシギ
学名Calidris alba
全長20-21cm
生息環境砂浜,砂干潟,河口
鳥類目録第7版準拠

旅鳥または冬鳥として、飛来する鳥です。

数羽から数十羽の群れで行動することが多く、波打ち際を走り回る様子を観察することができます。

この行動がとにかく可愛く、ちょこまか動き回るミユビシギにハートを鷲掴みされた方も多いはず。

冬羽は全体的に白く見えますが、夏羽は赤くなります。
個人的に白い方が可愛いので、冬羽のミユビシギをぜひ観察してほしいです。

また、ミユビシギの名前にある”ミユビ”。

これは趾が3本で、後趾がないからです。

観察する際は、足に注目してみましょう。

ハマシギ

学名Calidris alpina
全長16-22cm
生息環境干潟,水田,河口など
鳥類目録第7版準拠

旅鳥または冬鳥として、飛来する鳥です。

大きな群れになるのが特徴で、場所によっては数百羽以上の群れで飛ぶこともあります。

イソシギと混同されやすい鳥ですが、ハマシギは足が黒い点,イソシギの腹部にある白色部の切れ込みがハマシギには無い点など識別点は様々です。

シギ・チドリ類の識別はバードウォッチャーにとって一つの壁ですが、丁寧に見ていると勝手にできるようになっていきます。

焦らずに一つ一つ知識を付けて、観察しましょう。

ユリカモメ

ユリカモメ
学名Larus ridibundus
全長37-43cm
生息環境海岸,干潟,水田,河口,湖沼,河川など
鳥類目録第7版準拠

冬鳥として、飛来する鳥です。

カモメ類の中では小型の部類で、日本にいる小型カモメの大半を占めます。

場所によっては、内陸部の池のある公園や緑地にも集まることも。

名古屋城のユリカモメが観光客のハートを鷲掴みする姿も、珍しくありません。

嘴と足の色が赤く、夏羽になると顔の羽が黒くなるのが特徴です。

3月に観察すると、白と黒のまだら模様のユリカモメを観察することができます。

また近距離で観察させてくれる鳥なので、カモメデビューするならユリカモメから始めてみましょう。

セグロカモメ

セグロカモメ
学名Larus argentatus
全長55-67cm
生息環境海岸,干潟,港,河口,湖沼,河川など
鳥類目録第7版準拠

冬鳥として、飛来する鳥です。

セグロカモメは、大型カモメに分類されます。

ユリカモメの全長は約40cmで、セグロカモメは約60cm。

数字で見ても、大型なのが伝わりますよね。

基本的に汽水域や海水域で観察する鳥ですが、厳冬期には内陸部にも飛来します。

名古屋城や不忍池にも飛来するので、観察しやすいです。

またオオセグロカモメやウミネコと混同されやすい鳥ですが、上面が灰色足がピンク嘴に黒が含まれていないなど識別点があります。

日陰にいるセグロカモメをオオセグロカモメと思わないように、注意して観察しましょう。

ノスリ

ノスリ
学名Buteo buteo
全長雄:50-53cm 雌:53-60cm
生息環境草原,農耕地,河原,平地から山地の林など
鳥類目録第7版準拠

ノスリは、冬に農耕地などの平野部で多く見られる鳥です。

中部地方以北では、春夏でも山でノスリの姿が見られます。

農耕地では電柱や木に止まっていたり、頭上を旋回していたりと何かと目に付くのが特徴です。

ホバリング能力にも長けており、翼をパタパタ羽ばたかせながら空中で静止します。

その後、獲物を発見すると、降下して捕獲。

他の猛禽類と比較すると、少し遅めに降下します。

そんなので捕まえられるのか…⁉︎と感じることもありますが、実際に捕まえているから本当にすごいです。

観察しやすい鳥なので、じっくり観察しましょう。

モズ

モズ
学名Lanius bucephalus
全長19-20cm
生息環境平地から山地の開けた環境
鳥類目録第7版準拠

モズは、秋になると平地に降りてくる鳥です。

農耕地や公園などの、開けた環境を好みます。

そんなモズの特徴の一つは「高鳴き」でしょう。

モズは非繁殖期になると単独で行動し、「ギチギチギチ」と縄張り宣言をするようになります。

木や電柱の上といった、目立つところで高鳴きをするので非常に見つけやすいです。

またモズといえば、もう一つ特徴があります。

それは「はやにえ」です。

はやにえとは、モズが捕らえた獲物を木の枝や有刺鉄線などに突き刺す行動を指します。

貯食行動の一つで、さえずりの声質に関連することが近年の研究で話題になりました。

鳥を探すときは、このような痕跡を探すのも重要です。

シロハラ

シロハラ
学名Turdus obscurus
全長24-25cm
生息環境平地から山地の林,公園など
鳥類目録第7版準拠

シロハラは、冬鳥として全国的に渡ってくる鳥です。

神社や公園の雑木林など、身近な場所に生息しています。

食性は雑食ですが、落ち葉の下や土中からミミズや昆虫を捕食することが多いです。

暗い環境を好む鳥なので、見逃しちゃう人が多発しています。

バードウォッチングをする際は、地面にシロハラがいることを意識しましょう。

特徴的な鳴き声も忘れずに!

ツグミ

ツグミ
学名Turdus naumanni
全長24cm
生息環境平地から山地の林,農耕地,芝生,公園など
鳥類目録第7版準拠

ツグミは、冬鳥として全国的に飛来する鳥です。

様々な環境に飛来するので、意識していなくても容易に見つけることができます。

日本に渡って来るときは群れで行動しますが、渡りが落ち着くと1羽で行動することが多いです。

日本を去る際は、再び群れを形成して渡っていきます。

そんなツグミの面白ポイントが採餌です。

歩く,止まって胸を張る を繰り返して、ミミズなどを捕食します。

ぜひ、じっくりと観察してみてください。

アオジ

アオジ
学名Emberiza spodocephala
全長16cm
生息環境平地から山地の疎林や低木林,草原,薮など
鳥類目録第7版準拠

アオジは北海道や中部以北で繁殖し、関東以西で越冬します。

越冬中の生息地は、主に薮や草むらです。

今回、紹介する鳥の中で観察する難易度が最も高いと言えるでしょう。

観察する際のコツは最初から姿を捉えにいくより、鳴き声を聴いて場所を絞ってから探した方が早く見つかりやすいです。

チッチッ」という小さな声で鳴くので、実際に探す前にあらかじめ聴いておきましょう。

アオジの鳴き声はこちら

ウグイスの地鳴きと混同するケースも多いので、要注意です。

最後に

今回は、カモ以外の冬に見ておきたい鳥を紹介しました。

  • カンムリカイツブリ…水辺に生息
  • オオバン…水辺に生息
  • タゲリ…農耕地などに生息
  • ミユビシギ…砂浜などに生息
  • ハマシギ…干潟などに生息
  • ユリカモメ…海辺などに生息
  • セグロカモメ…海辺などに生息
  • ノスリ…農耕地などに生息
  • モズ…開けた環境に生息
  • シロハラ…雑木林などに生息
  • ツグミ…農耕地などに生息
  • アオジ…薮などに生息

バードウォッチングをする際の、参考になれば幸いです。

参考文献

氏原巨雄・氏原道昭(2020)決定版 日本のカモ識別図鑑.株式会社誠文堂新光社

叶内拓哉(2017)フィールド図鑑 日本の野鳥.株式会社文一総合出版

真木広造・大西敏一・五百澤日丸(2014)決定版 日本の野鳥.株式会社平凡社

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